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農業で成功することを夢見てアメリカに移住した韓国人一家描く『ミナリ』がいよいよ全国の劇場で公開!

2021年3月8日

Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24

 

1980年代を舞台に、農業を営むためアメリカ南部のアーカンソー州へ移住してきた韓国人一家の姿を描く『ミナリ』が3月19日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ミナリ』は、1980年代のアメリカ南部を舞台に、韓国出身の移民一家が理不尽な運命に翻弄されながらもたくましく生きる姿を描いた家族映画。農業での成功を目指し、家族を連れてアーカンソー州の高原に移住して来た韓国系移民ジェイコブ。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを目にした妻モニカは不安を抱くが、しっかり者の長女アンと心臓を患う好奇心旺盛な弟デビッドは、新天地に希望を見いだす。やがて毒舌で破天荒な祖母スンジャも加わり、デビッドと奇妙な絆で結ばれていく。しかし、農業が思うように上手くいかず追い詰められた一家に、思わぬ事態が降りかかり…

 

本作では、父ジェイコブを『バーニング 劇場版』のスティーブン・ユァン、母モニカを『海にかかる霧』のハン・イェリ、祖母スンジャを『ハウスメイド』のユン・ヨジョンが演じた。韓国系アメリカ人のリー・アイザック・チョンが監督・脚本を手がけている。なお、2020年の第36回サンダンス映画祭でグランプリと観客賞をダブル受賞した。

 

Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24

 

映画『ミナリ』は、3月19日(金)より全国の劇場で公開。

1980年代のアメリカにおいて、四季があり、農業が主要産業であるアーカンソー州でアメリカンドリームを実現させる…韓国人の家族にとってはもちろん簡単なことではない。しかも、手に入れた土地は、誰も買いたがらない”いわくつき”物件。掴まされたと云ってよい。でも、成功するチャンスだと信じて懸命に取り組んでいく。とはいえ、直ぐには成功するわけではないので、ひよこの性別を鑑定する初生雛鑑別師の仕事を最低賃金を以て働かざるを得ない。異国での労働が如何に大変であるか、ほんの昔も今も大して変わらないと見せつけられてしまう。だからこそ、アメリカンドリームを掴みたい気持ちは十分に伝わってくる。

 

しかし、彼らが遭遇するのは不運の連続。簡単に農作物は順調に育たない。彼らが生きていくため、そして農作物を育てるために必要な水の確保も容易ではなかった。1980年代にはある程度のまとまった数の韓国からの移民をターゲットにした農作物のビジネスも簡単には取引を始められない。仮に韓国に戻ったとして、同じような能力を持っていたとしても祖国の人より優遇されることもない。一度、外国に出たら背水の陣で挑まなければならなかった。そこで彼らを救うのが”ミナリ”、韓国語で”セリ”だ。どんな場所にも適応して育っていく強い作物。まさに本作が伝えたいメッセージが詰まった本作のタイトルである。監督のリー・アイザック・チョンが幼い頃に経験したことをベースにした本作はいつの時代にも通じる大切なことを教えてくれた。

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映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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