抑圧されてもガムシャラに生きる女性を描き、人間の深奥に迫る『東京不穏詩』がいよいよ関西の劇場でも公開!
(C)2018 KOWATANDA FILMS. ALL RIGHTS RESERVED
夢と愛を失い、生きる希望をなくし、絶望の淵であがくひとりの女性の物語をリアルに紡ぎ出していく『東京不穏詩』が3月28日(土)より関西の劇場でも公開される。
映画『東京不穏詩』は、現代の日本で社会や環境に抑圧されながらもがむしゃらに生き抜こうとする女性の姿を描いたドラマ。東京のクラブで働きながら女優を目指している30歳のジュンは、ある日、彼女は不審な男に金を奪われ、顔に深い傷をつけられてしまう。その男は恋人であるタカが仕向けた男だった。恋人に裏切られ、傷ついた顔により女優になる夢も失ったジュンは東京を離れて、5年ぶりに長野の実家に帰ってくる。受け入れがたい過去を知ったことにより、何かが一気に弾けた彼女は亡くなった祖母の財産で暮らす粗暴な父に「強姦されたと言いふらす」となりふりかまわずに財産の半分を要求する。心が壊れていくジュンは旧友であるユウキとの再会によってようやく居所を見つけるが…
本作では、『ケンとカズ』の飯島珠奈さんが主人公ジュン役を演じる。監督はこれまでにも日本を舞台にした短編映画を手がけ、本作が長編デビューとなるインド出身のアンシュル・チョウハンが務めた。
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映画『東京不穏詩』は、3月28日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。また、京都・出町柳の出町座と神戸・元町の元町映画館でも近日公開。
これでもか、という程にズタボロな状況に追い込まれていく女性、ジュン。恋人に裏切られ、顔に深傷を負い、実家に戻っても、どうしようもない父親がいるだけ…一体、どこに希望があるといえるのか。旧友のユウキだけが心を寄せられる人間だった。でも、ユウキにも周りには決していえない過去と思いを持っていそうで…
実に現代の閉鎖された日本社会を描いている。しかも、インドから来日したCGアニメーターが描いた作品であることが興味深い。自分の存在価値を見出す手段として映画制作に取り組み、その熱情と映画に対しての真摯な姿勢は尊敬に値する。ぜひともこのアンシュル・チョウハン監督に深くインタビューしてみたい。監督2作目となる『コントラ』は、先日開催された大阪アジアン映画祭において最優秀男優賞を受賞しており、日本劇場公開が待たれるばかりだ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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