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激動する天安門事件の中で引き裂かれていく恋人達の姿を描く『天安門、恋人たち』がいよいよ劇場公開!

2024年5月28日

© LAUREL FILMS/DREAM FACTORY/ROSEM FILMS/FANTASY PICTURES 2006

 

現代中国史を背景にしながらも、若者たちの普遍的な恋愛や苦悩を描く『天安門、恋人たち』が5月31日(金)より全国でリバイバル公開される。

 

映画『天安門、恋人たち』は、1989年の天安門事件を背景に、自由と民主化を求める学生たちの青春と人生、男女の愛を描いたラブストーリー。学生たちの間で自由と民主化を求める声が高まっていた1987年の中国。故郷の東北地方から北京の大学に入学したユー・ホンは、そこで運命の恋人チョウ・ウェイと出会う。恋に落ちた2人は狂おしく愛し合い、激しくぶつかり合う。しかし、1989年6月4日の天安門事件を境に、2人は離ればなれになってしまう。チョウ・ウェイはベルリンへ逃れ、ユー・ホンは国内で各地を転々とし、仕事や恋人を変えながら生活していく。そして数年後、互いを忘れることができずにいた2人は再会を果たすが…

 

本作は、『パープル・バタフライ』『ふたりの人魚』のロウ・イエ監督が手掛け、中国ではタブーとなる天安門事件を扱っていることや、過激な官能描写もあることなどから上映禁止になり、ロウ・イエ監督にも5年間の表現活動禁止処分が下されたが、2006年の第59回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されるなど国際的には高く評価された。日本では2008年に公開され、今年、オリジナルの35ミリプリントをノンレストアでDCP化してリバイバル公開。

 

© LAUREL FILMS/DREAM FACTORY/ROSEM FILMS/FANTASY PICTURES 2006

 

映画『天安門、恋人たち』は、5月31日(金)より全国の劇場で公開。関西では、5月31日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都や神戸・三宮のシネ・リーブル神戸、6月21日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田で公開。

1987年、中国東北地方から北京の大学に入学したユー・ホンは、友人の紹介で知り合ったチョウ・ウェイと恋人になる。ユー・ホンはチョウ・ウェイを「運命の人」であると感じ、彼を試すような言動を繰り返していく。学生たちの民主化運動の熱が高まっていく中で、彼らは激しくぶつかり合いながら、愛し合うのだが、その最中に1989年6月の天安門事件が起きてしまう…

 

原題の「頤和園」は北京市街に実在する公園で、作中でユー・ホンとチョウ・ウェイの二人が夕日が沈む中でボートに乗っている場面で登場する。この原題からも分かるように、本作の主題はあくまでも主人公であるユー・ホンとチョウ・ウェイの人間・恋愛ドラマにあり、1989年に起きた天安門事件の直接的な描写はほとんど省略されていた。しかし、それゆえに当時の若者が天安門事件の中で感じた、あるいは実際に天安門事件に参加したロウ・イエ監督自身が感じたであろう「絶望感」がこの映画の中に封じ込められているように感じずにはいられない。中盤以降、登場人物たちは大学を中退し、それぞれ別々の場所へ移り住むこととなるが、映し出される彼らの言動には、事件によって染みついた社会への絶望感と自己効力感の欠如を感じずにはいられなかった。

 

2019年から2020年にかけて香港で民主化デモが起き、多くの若者が負傷・逮捕されたことを踏まえると、天安門事件から地続きの時代に私たちは生きていることが分かる。また、状況や要因は異なっていても、日本の若者たちが感じる将来への絶望感は、映画の登場人物たちの心情に重ねられる部分は多いように感じてしまう。だからこそ、2024年の現代に映画館のスクリーンで本作を鑑賞することに大きな意味があるのではないだろうか。

fromオーイシ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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