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日本ならではのエンターテイメントがここにある!『嘘八百 京町ロワイヤル』中井貴一さん、佐々木蔵之介さん、広末涼子さんに聞く!

2020年1月29日

大物狙いで空振りばかりの古物商と腕は立つのに落ちぶれた陶芸家のコンビによる痛快コメディの続編『嘘八百 京町ロワイヤル』が1月31日(金)より全国の劇場で公開。今回、中井貴一さん、佐々木蔵之介さん、広末涼子さんにインタビューを行った。

 

映画『嘘八百 京町ロワイヤル』は、幻のお宝をめぐり古物商と陶芸家がだまし合いの大騒動を繰り広げるコメディのシリーズ第2作。大阪・堺で幻の利休の茶器をめぐって大勝負を仕掛けた古物商の則夫と陶芸家の佐輔が、ひょんなことから京都で再会を果たす。そこで出会った着物美人の志野にほだされた2人は、利休の茶の湯を継承し、天下一と称された武将茶人・古田織部の幻の茶器にまつわる人助けに乗り出すが…
古物商の則夫役を中井貴一さん、陶芸家の佐輔役を佐々木蔵之介さんがそれぞれ演じ、志野役で新たに広末涼子さんが参加。友近さん、森川葵さんら前作からのキャスト陣に加え、加藤雅也さん、竜雷太さん、山田裕貴さんらも新キャストとして顔をそろえる。監督の武正晴さん、脚本の足立紳さんと『百円の恋』コンビが前作から続投した。

 

前作『嘘八百』では、中井さんと佐々木さんがお互いを良く知らない中でお互いに騙し合いながら共通の敵に向かっていった。今作では、二人の関係性が出来上がった状態からのスタートとなり、中井さんとしては「前作よりも関係性を作るのは楽だったなぁ」と振り返る。「モノづくりと騙し屋のやり取りは台詞が多いなぁ」と思いながら最初の台本を読み「詐欺師ではないが、説得力を持たせる必要がある。口八丁で皆さんに買って頂く役柄なので、以下に口滑らかに喋られるかが一番の目標だったのではないか」と認識していった。佐々木さんは、中井さんと一緒にバディを組んで、喜劇をすることをモチベーションにしており、出来上がった作品に対して、懐かしさを感じている。また、陶芸家を演じる役者として「前作は楽茶碗、今回は蹴ろくろ。見た目は楽しいが、やってみると非常に難しい」と感じており「おもしろい作品に出来上がったのではないか」とやりがいを実感していた。広末さんは、中井さんと佐々木さんによるバディが出来上がっている中に飛び込んだので、続編に出演するための緊張感がありながら「前作が大好きだったので、今作への出演は光栄です」と嬉しさを表す。二人を惑わせたり振り回したりする役であるため「自分にない女の武器やセクシーさを引き出すべく髪をエクステで長くしました。また、和服の巻き髪も『髪の毛は女の武器なんだな』と思ってフル活用しました」と役者として初めての茶道と煙草へのチャレンジを二本柱にしながら役と向き合った。

 

また、中井さんと佐々木さんはプロット作成段階から参画。今回、続編制作の依頼を受けた時、中井さんは、最初に「二匹目のドジョウはやりませんよ」と伝えていた。前作の撮影日数は16日間、地獄のような日々を送ったが「堺の皆さんに協力して頂いて人の心の温かさを皆で感じながら撮影していた」と振り返り「2本目が出来るなんて想像もしていなかった」と明かす。「生き残れただけでも良かった現場でした」とまで語り「もし再び作るなら前作を超える内容、新しい作品を1本作る気持ちでやらないと絶対に駄目だと思います」と念押しをしている。佐々木さんも「この作品は、お金をかけたからといって面白くなる作品ではないですね」と話す。撮影期間は16日から4日増えて20日間まで延ばして頂いたことにホッとしながら「ギリギリの中でやっていくおもしろさがありました。2回目をやるからには、質・量の面で超えないといけない」と認識している。

 

前作に続いてロケ地の1つになった大阪府堺市について、今作で初めて訪れた広末さんは「前作から続いて堺の名前が沢山出たことで、なんとなく初めてのような気がしなかった」と告白。撮影現場では「時間のない中での移動もあり、夜や早朝からの撮影もあるにも拘わらず、どの現場も皆さんが温かく迎えて下さった」と印象に残っている。中井さんは、ロケ地でギリギリまで撮影し帰って寝る日々を過ごしたが「小料理屋さんが集まっているエリアに行くと帰ってきた感覚があった。『嘘八百』のホームタウンは堺なのかなぁ」と親しんだ。佐々木さんは、父親が堺で暮らしていたことがあり「ここに住んでいたのかぁ」と散歩しながら「昔の堺は最先端の大港がある都市だった。その名残を前作のロケでは感じていた」と身近な都市に感じている。

 

なお、劇中で登場する居酒屋「もぐら」は、セットではなく、堺市にあるで撮影された。勿論、「居酒屋おやじ」は、多くのスタッフとカメラが入ることを想定して作られてはいない。中井さんは「武監督が移動用レールを引いて役者を座らせて動きをつけて1シーン1カットで撮ろうとする工夫がこの『嘘八百』の全てであり、ホームタウンとなる場所」と説く。佐々木さんも「試行錯誤するのが楽しい。下のレールだけでなく上にもレールが作られたのは初めてです。そんなシーンはありえない」と添え「お店に行ってどのように撮ったのか想像してみてください」と聖地巡礼を提案した。

 

本作を初号試写で鑑賞した広末さんは「これが日本のエンターテインメントじゃないか」と体感。「人と人が会話して小さな場所で小さな嘘を沢山重ねてやり合うことがおもしろいと思わせてくれるのがエンターテインメントだな」と実感し「大掛かりでなくても引き付けてくれる魅力が素敵。新しい衝撃がある味わい深い場所です」と印象に残っている。さらに次作へ思いを馳せている中井さんは「次はパリが舞台…でも、もぐらからのはアリやな」と2人を笑わせた。

 

映画『嘘八百 京町ロワイヤル』は、1月31日(金)より全国の劇場で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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