Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

幸せな結婚式が一転…家族の秘密がほころび始める…『誰もがそれを知っている』がいよいよ劇場公開!

2019年5月25日

(C) 2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION – MORENA FILMS SL – LUCKY RED – FRANCE 3 CINEMA – UNTITLED FILMS A.I.E.

 

スペインに帰郷した女性が、不可解な娘の誘拐事件に巻き込まれ、やがて女性の家族の秘密が次々と露になっていく様を描く『誰もがそれを知っている』が、6月1日(土)より全国の劇場で公開される。

 

映画『誰もがそれを知っている』は、結婚式で起きた娘の失踪をきっかけに、隠していたはずの家族の秘密が浮かび上がっていくさまが描かれるミステリードラマ。アルゼンチンで夫と2人の子どもと暮らすラウラが、妹アナの結婚式に出席するため、故郷スペインの小さな村に子どもたちを連れて帰ってくる。地元でワイン農園を営む幼なじみのパコや家族と再会し、ともに喜ばしい日を迎えるラウラたちだったが、結婚式のアフターパーティのさなか、ラウラの娘イレーネが姿を消してしまう。やがて何者かから巨額の身代金を要求するメールが届き、イレーネが誘拐されたことが判明。それぞれが事件解決のために奔走するなかで、家族の間にも疑心暗鬼が広がり、長年に隠されていた秘密があらわになっていく。

 

本作は、『別離』『セールスマン』でアカデミー外国語映画賞を2度受賞しているほか、カンヌやベルリンといった国際映画祭でも高い評価を受けているイランの名匠アスガー・ファルハディが、スペインの田舎町を舞台に全編スペイン語で撮り上げた。主演をペネロペ・クルスとハビエル・バルデムが務め、実生活で夫婦の2人が共演。2018年の第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品である。

 

(C) 2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION – MORENA FILMS SL – LUCKY RED – FRANCE 3 CINEMA – UNTITLED FILMS A.I.E.

 

映画『誰もがそれを知っている』は、6月1日(土)より、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸など全国の劇場で公開。

前作『セールスマン』を観た時も感じたが、アスガー・ファルハディ監督は、作中で起こった事件の真相を探っていく展開以上に、人間や社会にうごめく欲望を多様性を以て表現している。主人公達が抱き変化していく感情のプロセスを事細かに描いており、単なるサスペンスを観ている以上に観客の胸を締めつけるストーリーテリングが展開されていく。

 

本作においても、途中から発覚していく家族の秘密が、これほどまでに皆を混乱させ、感情の浮き沈みは避けられなくなってくる。観客によっては、誰に感情移入するかで、いくらでも劇中では描かれない人間ドラマを想起させてしまう。結婚式での出来事を舞台にしているため、登場人物が多く混乱することもあるだろうが、本作に登場するドローンが撮影した映像のごとく、幅広く注目して鑑賞してほしい。

 

なお、本作の原題は、スペイン語で『Todos lo saben』、直訳すれば「みんな知ってる」(英題が『EVERYBODY KNOWS』)。まさに本作の内容その通りの原題だが、邦題は『誰もがそれを知っている』。”それを”と邪魔にならない程度に、より具体的な言葉を充てており、秀逸である。配給会社のセンスにも拍手を送りたい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts