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岸井ゆきのさんと成田凌さんによる究極の片想いを描いた『愛がなんだ』がいよいよ劇場公開!

2019年4月18日

(C)2019『愛がなんだ』製作委員会

 

好きな男のためなら仕事も友達もそっちのけで全てを捧げてしまうOLの恋愛模様をコミカルに描く『愛がなんだ』が、4月19日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『愛がなんだ』は、アラサー女性の片思い恋愛ドラマ。28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5ヶ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。テルコがマモルの部屋に泊まったことをきっかけに、2人は急接近したかに思えたが、ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまう…

 

本作は、直木賞作家・角田光代の同名恋愛小説を、『パンとバスと2度目のハツコイ』『知らない、ふたり』の今泉力哉監督で映画化。『おじいちゃん、死んじゃったって。』の岸井ゆきのさん、『キセキ  あの日のソビト』『ニワトリ★スター』の成田凌さんらが共演。

 

(C)2019『愛がなんだ』製作委員会

 

映画『愛がなんだ』は、4月19日(金)より、全国の劇場で公開。

岸井ゆきのさんが可愛いに尽きる!この女優を可愛らしく撮っている映画の中で、間違いなくナンバー1!

 

主人公テルコは少し、いやかなり痛いアラサー女子。なのに、微笑ましいやら可愛いやら、応援したくなるやらで、ぎりぎりアウトな展開すらも清々しく感じてしまう。いわゆる「こじらせ系」な映画は、「自分の過去をえぐられたー!」「私の性癖に刺さった!」と悶絶する方が多いけど、本作もきっと、胸を撃ち抜かれる方が続出するので、包帯を多めに用意してご覧ください。

 

自分でも恋人に不満があってモヤモヤはしているけど、「なんで、あんな人と付き合ってるの?」と友達に言われると、いやそれは言い過ぎでしょ、とちょっとムッとしたこととか、「友達以上、恋人未満」や「都合の良い女(or男)」というヤキモキした立場に心がきゅっとなる経験、思い当たる人も多いはず。そんな状況にくじけてしまうのか?とハラハラさせるなか、「あんたのいいところは、どんなにどん底ってときでも、ちゃんとおなか減って、死にたいとか冗談でも言わないところ」と親友に言わせる、テルコの無敵の強さ。彼女が選択したその道に、震える。

fromNZ2.0@エヌゼット

 

20代後半の不毛な恋愛を描く本作だが、物語の登場人物たちにその自覚は全く無い。こんな異性関係のある人達は世の中に少なくないだろう。尽くす対象の人がいてその人のためを思ってすることでさえ、その両方の間に明確な形としての「愛」が存在していなければ世間一般では認めてもらえない。周りの人間が仮に当事者であろうともそんな不毛な恋愛をしている友人がいたら自分のことは棚に上げて「やめとけ」とその形すら否定してしくるのだから余計なお世話だ。本作はその構図すらきちんと描写しており、観ながら心のモヤモヤが晴れた。

 

付き合ってもない異性に尽くしてしまいがちで、自分を見失ってしまいそうな不安の中で相手のために努力したことでも先ほど述べたように周りの友人達は褒めてくれない。好きな人からも認めてもらえず、友人からも認めてもらえない、終いには自分ですら自分がこのままでいいのかわからなくなる。本作は、自己を肯定するものが何もなくなった人達へのちょっとした勇気や肯定感を与えてくれ、賛辞を呈する作品だ。不毛な恋愛といっても様々なものがあり、主語を大きくするとキリがない。だが、本作は決して「こんな恋愛経験したことがねえよ」とツッコミを入れたくなる人でも共感する部分を見つられる稀有な一作である。

fromねむひら

 

「湯葉うめえ」の言葉を聞いた瞬間殴りたくなった。いや、湯葉の良さわからんって言ってたけど。マモちゃんが「自分」を全然持ってないことに苛々したし、それに対して何も言わずごはんを食べ続けるテルコにも苛々した。

 

マモちゃんはある特定の女の子にすごく好かれそうな見た目をしている。黒髪のマッシュに色白で細い身体。長身。猫背。だから、「ああ、これまでもテルコみたいな女の子を作って都合の良いように扱ってきたんだなあ」と思って観ていた。だけど、映画の中盤、バーでお酒を飲むシーンでマモちゃんの格好良さは崩壊する。テルコとマモちゃんがいかに狭い世界にいるかということに気がつく。ちょっと格好いい風でテルコには大きい態度を取るマモちゃんも、一歩外に出たら会話に馴染めずキョロキョロしながらお酒を飲んでいる。なんて情なくてかっこ悪いんだろう。

 

ただ、そのかっこ悪さも含めて好きで居続けるテルコには少し愛を感じてしまった。しかしその一口に言う「好き」もずっと同じ感情で「好き」なわけではないのだ、ということに少しゾッとした。その変化がわかる冒頭とラストの台詞には是非注目して頂きたい。個人的には深川麻衣演じるヨウコちゃんがツボすぎてしんどかった。あれは惚れる。

fromマツコ

恋は一番恐ろしい麻薬だ。

 

プライドなんてどうでもよくなる。しょうがないやん。好きなんだよ。好きで好きで好きで、彼のことだけ考えてたい。他のことなんてもうどうでもいい。自分が都合のいい女になってしまっていることは言われなくてもわかってる。でもそれより彼のことが好きって気持ちが圧倒的に強くて、「もう負けたよ。惚れちまったよ」って開き直ることに快感すら覚える。恋愛ソングの MV に出てきそうなくらい幸せな空間で顔がゆるっゆるになってしまう「両思いっぽい」時間が人生で一番正しい。

 

だからといって、この人も私のことを好きでいてくれてると思えるほど馬鹿じゃない。「この人は私のことなんてどうでもいいんだろうな」ってことすら分かってる。この時間が決して長く続く訳ない。帰り道が長い。何度も何度もフラッシュバックする「あ、しくった」って瞬間。「そういうとこ嫌い」って自分の中で攻め続ける。もうたまらなく苦しい。やめたい。つらい。でも好き。だめだこりゃ。

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映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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