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「ライ麦畑でつかまえて」作家J.D.サリンジャーの半生を描く『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』がいよいよ劇場公開!

2019年1月11日

(C)2016 REBEL MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 

アメリカ文学史上屈指の傑作「ライ麦畑でつかまえて」と、謎めいた隠遁生活で知られる作家J.D.サリンジャーの若き日を描いた伝記映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』が、1月18日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』は、2019年1月1日に生誕100周年を迎える小説家J・D・サリンジャーの半生を描いたドラマ。1939年、作家を志しコロンビア大学の創作学科に編入した20歳のサリンジャーは、大学教授ウィット・バーネットのアドバイスで短編小説を書き始める。出版社への売り込みを断られ続ける中、ようやく掲載が決定するが、太平洋戦争の勃発によって、その掲載は見送られてしまう。召集により戦地に赴いたサリンジャーは戦争の最前線で地獄を経験し、終戦後もそのトラウマに悩まされながら、初長編「ライ麦畑でつかまえて」を完成させる。この作品の成功により、突如として名声を手に入れたサリンジャーだったが……。

 

本作では、サリンジャー役を『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のニコラス・ホルト、バーネット役をケビン・スペイシーがそれぞれ演じる。監督は『大統領の執事の涙』の脚本を手がけ、本作が長編監督デビュー作となったダニー・ストロングが務める。

 

映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』は、1月18日(金)より、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸などで公開。

「ライ麦畑でつかまえて」、書店や図書館で一度は触れて読んだことある人は多いのではないだろうか。村上春樹さんによる翻訳版「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が出版され話題にもなった。昨年は、サリンジャーを探す旅に出る青年を描いた『ライ麦畑で出会ったら』が日本でも公開。再び、作家J.D.サリンジャーと「ライ麦畑でつかまえて」に注目が集まり、生誕100周年を迎えた今、満を持してサリンジャーの伝記映画が公開となった。

 

本作では、才能あるサリンジャーが短編を執筆しながら出版を夢見ながらも、陸軍に入隊に第二次世界大戦の戦地に送り込まれることまで描かれている。日々激しくなる戦況に神経を擦り減らしながらも、書くことだけが心の支えになっていくサリンジャーの姿には心が打たれた。終戦後も、戦場のフラッシュバックと戦いながらも「ライ麦畑でつかまえて」を書き上げ出版させようと粉骨砕身していく。まさに執念しかないサリンジャーの姿には、よくぞやった、と心から拍手を送りたい。

 

だが、「ライ麦畑でつかまえて」を出版後のサリンジャーは、最終的に隠遁生活を送ることになる。なぜそうなったか、予てから疑問を抱いていたが、本作を観れば、確かにそうなるな、と納得してしまう。自らの作品がベストセラーになることは本当に良いことなのか。良いことではあるが、それに伴う事象が幾らでもあることはいつの時代も全く変わらない。だが、それでも、現在も売れ続けている20世紀のベストセラー「ライ麦畑でつかまえて」とJ.D.サリンジャーを称えるべく、本作をぜひ観て頂きたい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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