Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

息子の戦死は誤報だった…『運命は踊る』がいよいよ全国の劇場で公開!

2018年9月28日

(C)Pola Pandora – Spiro Films – A.S.A.P. Films – Knm – Arte France Cinema – 2017

 

息子が戦死したとの報を受けたものの、それが誤報だと知る両親と、戦う相手のいない戦場で間延びした時間を過ごす息子の運命が交錯するさまを描き出す『運命は踊る』が9月29日(土)より劇場公開される。

 

映画『運命は踊る』は、本作の監督が実体験をもとに運命の不条理や人生のやるせなさを描いたミステリードラマ。テルアビブのアパートで暮らすミハエルとダフナ夫妻のもとに、軍の役人が息子ヨナタンの戦死を知らせにやってくる。ダフナはショックのあまり気を失い、ミハエルは平静を装いながらも役人の対応にいら立ちを覚える。やがて、戦死は誤報だったことが判明。ミハエルは怒りを爆発させ、息子を呼び戻すよう要求する。一方、ヨナタンは戦う相手のいない前哨基地の検問所で、どこか間延びした時間を過ごしていた。ある日、ヨナタンは若者たちの乗る車を取り調べするが……

 

『レバノン』で第66回ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したイスラエルの名匠サミュエル・マオス監督による作品。本作でも、第74回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞。

 

映画『運命は踊る』は、9月29日(土)より、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

本作の原題は、『FOXTROT』。1910年代はじめにアメリカで流行した、4/4拍子、2/2拍子の社交ダンスを指す。作中でも”前へ、前へ、右へ、ストップ。後ろ、後ろ、左へ、ストップ”と、元の場所に戻ってくる。いくら動いても同じところへ帰って来るダンスは、この邦題『運命は踊る』とリンクして物語を深めていく。息子の戦死という誤報がいかに両親の心を惑わせていくか十分に表している。

この物語は監督の体験談を基にして描かれた。監督の娘さんがバスでのテロ事件に巻き込まれたかもしれなかった経験から本作を着想する。前作が監督の戦争体験を基にした『レバノン』であったが、自身以上に娘さんが危険な目に遭いかけたかもしれなかったとすると、その精神状態は相当なものだったのだろう。自身の経験を基にして観客を釘付けにしていく、その才能に圧巻である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts