大切なひとのサインを見逃していませんか?奈良市の移動映画館 ならシネマテーク 2月は『しあわせへのまわり道』
映画館のない奈良市で移動映画館として上映イベントを開催している「ならシネマテーク」。2017年2月は『しあわせへのまわり道』を上映する。
「ならシネマテーク」は、2013年4月に奈良市でスタートした上映イベント。奈良出身で在住の映画監督である河瀨直美さんが理事長を務める「なら国際映画祭」実行委員会によって開催されている。映画館がなくなってしまった奈良市で、市民に定期的に映画に親しんでもらおうと、「移動型映画館」として毎月1作品を巡業上映してきた。
2017年2月は、2月10日(金)からホテルサンルート奈良 -桜の間- にて『しあわせへのまわり道』を上映する。『しあわせへのまわり道』は米ニューヨーカー誌に掲載された実話を映画化したハートフルドラマ。これまで順風満帆な人生を送っていたニューヨークの売れっ子書評家ウェンディ。しかし、ある日、長年連れ添った夫が浮気相手のもとへ去ってしまう。夫がいなくなり、車が運転できない現実に直面して困ったウェンディは、インド人タクシー運転手のダルワーンに運転を習うことに。ダルワーンは伝統を重んじる堅物だったが、文化も宗教も違うダルワーンとの出会いと交流を通し、ウェンディは新たな一歩を踏み出していく…。
ならシネマテーク『しあわせへのまわり道』上映会は、2月10日(金)10時~/14時~/19時~、2月11日(土)14時~/18時~、2月12日(日)11時~/15時~(各回入替制)、ホテルサンルート奈良 -桜の間- (近鉄奈良駅2,3番出口より徒歩約11分)にて行われる。上映1時間前より先着順にて当日券(1000円)が販売される。
「ならシネマテーク」は毎月開催されており、次はどの作品を上映するのかいつも気になっている。今月はこれをやるのかぁと感心しきりっぱなしだ。『しあわせへのまわり道』は2015年公開当時に塚口サンサン劇場で鑑賞した。人種のるつぼといわれるアメリカでニューヨーク・マンハッタンを舞台にしており多様性をテーマにしている。とはいえ、自動車の運転教習を通して、人生について考えるような作品になっている。主人公の内面に起きていく変化だけでなく、インド人タクシー運転手が経験してきたことも明らかにしていき、ココロにジーンと残る作品に仕上げられている。この作品を現在上映する意義も十分にあると感じている。既に観た方もいるかと思うが、改めて奈良で観てみるというのもおもしろい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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