ザ・スミス結成前夜を描く『イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語』がいよいよ劇場公開!
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モリッシーが、ジョニー・マーと出会いバンドを結成するまでを描く『イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語』が、5月31日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語』は、痛烈な言葉と独自の音楽性で1980年代イギリスの音楽シーンを席巻したバンド「ザ・スミス」結成前夜の物語を、ボーカリストのスティーブン・モリッシーを主人公に描いた青春音楽映画。1976年のマンチェスター、高校を中退したモリッシーは、ライブハウスに通いつめバンド批評を音楽誌に投稿する日々を送っていた。家計を助けるために就職したものの職場になじめない彼にとって、仕事をサボって詩を書くことが唯一の慰めだった。そんなある日、美大生のリンダーと出会ったモリッシーは、彼女の後押しもあってバンドを結成することに。初ライブは成功を収め、モリッシーはミュージシャンを目指すべく仕事を辞めるが…
本作では、『ダンケルク』のジャック・ロウデンが若き日のモリッシーを演じ、苦悩と挫折を乗り越えながらミュージシャンとしてのアイデンティティを確立するまでを描く。リンダー役はテレビシリーズ「ダウントン・アビー」のジェシカ・ブラウン・フィンドレイが演じる。また、モリッシーの同僚であり彼を誘惑するクリスティーン役でドラマ「キリング・イヴ/Killing Eve」のジョディ・カマーが出演した。メガホンを取ったのは、本作が長編監督デビュー作となったマーク・ギル。
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映画『イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語』は、5月31日(金)より、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、京都のMOVIX京都、神戸・三宮の神戸国際松竹をはじめ、全国の劇場で公開。
待っているだけじゃダメなんだ。そんなことはわかっている。けれども怖くて、動けない。わかっている、待っているだけでは世界は僕を見つけてくれないことも。
本作は、繊細で機微に富む作品。静かだが心の奥にまで浸透するカット回しによってエモーショナルに描かれていた。ワンシーン毎に大切にしたくなる程の温かみに溢れる画はマーク・ギル監督の人柄が滲み出ている。基本的に穏やかだが、時に激しくぶつかり合う波のごとく、画に乗せてスティーヴンの紡ぐ言葉が流れており、とても心地が良い。 さらに、ジャック・ロウデンの演技が飛び抜けており、台詞が少ないにも関わらず、スティーヴンの心情が手に取るようにわかる。『ダンケルク』、『戦争と平和』、『否定と肯定』にはない一面を見せてくれた。彼は間違いなく今注目すべき俳優のうちの一人である。
「待っていても世界は見つけてくれない」「でも完成させなきゃ無駄になる」「生き方がわからない」スティーヴンにも観る人にも突き刺さる優しい言葉たち。何者にもなれない人に向けたメッセージだと受け取った。 僕がいた場所に過去の僕はいない、と嘗ての自分を解き放つように流れていく画がとても印象に残る。優しさが溢れ大切にしたい映画だ。
from君山
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!