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大杉漣さん最後の主演作にして初プロデュース作!『教誨師』がいよいよ劇場公開!

2018年10月4日

(C)「教誨師」members

 

受刑者の道徳心の育成や精神の救済を行う教誨師の苦悩や葛藤を描く『教誨師』が10月6日(土)より劇場公開される。

 

映画『教誨師』は、6人の死刑囚と対話する教誨師の男を主人公に描いた人間ドラマ。受刑者の道徳心の育成や心の救済につとめ、彼らが改心できるよう導く教誨師。死刑囚専門の教誨師である牧師・佐伯は、独房で孤独に過ごす死刑囚にとって良き理解者であり、格好の話し相手だ。佐伯は彼らに寄り添いながらも、自分の言葉が本当に届いているのか、そして死刑囚が心安らかに死ねるよう導くのは正しいことなのか苦悩していた。そんな葛藤を通し、佐伯もまた自らの忘れたい過去と向き合うことになる…

 

本作は、2018年2月に急逝した大杉漣さんの最後の主演作にして初プロデュース作。死刑囚役に光石研さん、烏丸せつこさん、古舘寛治さんら。『ランニング・オン・エンプティ』の佐向大が監督・脚本を手がけた。

 

映画『教誨師』は、10月6日(土)より、大阪・梅田のテアトル梅田、心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸の京都シネマ、桂川のイオンシネマ京都桂川で公開。また、10月20日(土)から神戸・元町の元町映画館で公開。宝塚のシネ・ピピアでも近日公開予定。

本年2月に亡くなった大杉漣さん。まさかご自身も本作が最後の主演作になるとは思っていただろうか。作品の重みを噛み締めながら心して作品を拝見した。予告を拝見した時から、とても印象的だったのは、古舘寛治さん。こんな演技をしている古舘さんを見たのは初めてかもしれない。冒頭から暫くは何も話さず、自身の中にある世界に籠っている。飄々とした役柄がこれまでは多かったので、衝撃が大きかった。また、本作が映画初出演だという玉木玲央さん。これまで多数の舞台に出演されてきた方で、世の中に対して斜に構えた姿勢で話す佇まいには惹きつけられた。

本作は、教誨師が死刑囚に対して、自らの罪を見つめさせ、悔い改めて、残りの時間を少しでも充実させて、最後の時を迎えてもらうだけの作品ではない。教誨師とはいえ、彼自身も一人の人間だ。死刑囚と会うだけの人生ではなく、様々な思いを以て生きている。内に抱えたものを吐き出した時、お互いの立場は関係なくなり、初めて人間同士の対話になっていく。その姿を観た時、私自身にも込みあがってくる感情があった。まさに限られた空間でつくられた骨太な一作である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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