戦後70年以上語られなかった陸軍中野学校の「秘密戦」が明らかに…『沖縄スパイ戦史』が関西の劇場でいよいよ公開!
(C)2018『沖縄スパイ戦史』製作委員会
戦後70年以上語られることのなかった沖縄での秘密戦の全貌に深く斬り込んでいくドキュメンタリー『沖縄スパイ戦史』が、関西の劇場でも8月4日(土)より公開される。
本作は、『標的の村』『標的の島 風かたか』などで知られる三上智恵さんと、学生時代から八重山諸島の戦争被害の取材を続け、TVドキュメンタリー「この道の先に ~元日本兵と沖縄戦を知らない私たちをつなぐもの~」「テロリストは僕だった ~沖縄・基地建設反対に立ち上がった元米兵たち~」を手掛けてきた大矢英代さんが共同監督を務めた。
映画『沖縄スパイ戦史』は、沖縄戦の知られざる真実に迫ったドキュメンタリー。第2次世界大戦末期、連合国軍の上陸により、1945年6月に降伏するまでの3カ月の間に民間人を含む24万人余りが命を落とした沖縄戦。しかし、降伏後も沖縄北部ではゲリラ戦、スパイ戦が繰り広げられていた。その裏には、1944年夏に沖縄の地に渡り、身分を隠して沖縄の各地に潜伏していた工作員養成機関「陸軍中野学校」出身者42人の存在があった。
映画『沖縄スパイ戦史』は、8月4日(土)より、大阪・十三の第七藝術劇場と京都・烏丸の京都シネマで公開。また、9月22日(土)から神戸・元町の元町映画館でも公開予定。
太平洋戦争で、沖縄が降伏した後にこんなことが起きていたなんて…映画を通して初めて知り、憤りを感じた。少年兵を用いたゲリラ隊やスパイ隊は、もはや形を変えた特攻隊のようにしか感じられない。運良く敵の陣地から帰ってきたならば、敵のスパイだと容疑をかけられ、幼馴染の少年たちの手によって殺されてもいた。運よく米軍が上陸せず死者もいなかったエリアの島民らは、当時マラリアが蔓延していた島へ移住させられていく…作品を鑑賞しながら、ウンザリする気持ちになり観ていられなくもなったのが、やはりかつて起きていたことを知っておかなければいけないと受け止め、最後まで見届けた。最後は、亡くなった方々への償いが映し出され、未来の平和を願うばかり…
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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