売れないミュージシャンと支える妻は世界共通!!『そろそろ音楽をやめようと思う』シアターセブンでLIVEも開催!!
ダイナマイト☆ナオキさん主演、夢を追いかけ続ける人たちの心に沁みるリアルな東京インディーズストーリー『そろそろ音楽をやめようと思う』が大阪・十三のシアターセブンで5月12日(土)から1週間限定公開。5月13日(日)にはミニライブ付き上映が開催された。
映画『そろそろ音楽をやめようと思う』は、音楽の夢を追い続けるも厳しい現実を前に揺れ動く男の姿を描いた作品。プロのミュージシャンになることを夢見て、アルバイトを続けながらライブ活動に励む健一。妻の明子もそんな夫を支え続けてきたが、一向に芽の出ないまま40代に突入し、近頃はあきらめムードが漂っていた。そんなある日、健一は元音楽仲間から「自分の会社で正社員として働かないか?」という誘いを受ける。悩んだ末に妻や自分のためと言い聞かせ、ギターを売って音楽を辞める決意をした健一だったが、そこから事態は思いがけない方向へと進み始め……
シアター内には東京からもお客さんが駆け付け、満員となった。映画上映後、 サングラスをかけたダイナマイト☆ナオキさんが登場。まずは「おっぱいさわりたいぜベイベー」を熱唱!タイトルコールをすれば「あか~ん」とお客さんからの声掛けも。歌詞の一部を変えて「高校を卒業して大阪にやってきて10年間住んでました。十三ファンダンゴに出演していました」と大阪との関係を明かす。曲の終盤では「おっぱい」コールの掛け合いをしながらも「女性ファンを逃がしてしまう…」と嘆く。次にお客さん皆の無事を願って「痴漢撲滅キャンペーンソング」を届け「懲役30年」の掛け声で盛り上がっていく。
2曲を歌い上げたナオキさんはお客さんに感謝すると共に、4月に行った大阪・福島セカンドラインでのライブについて振り返る。ライブ後にCDとTシャツを購入したお客さんを見送り、ライブハウスを出る際に改めて挨拶され、そのお客さんがシアターセブンの福住支配人であることを知り「奥ゆかしい方ですね。だから活気ある映画館があるんですね」と称えた。また、千葉から大阪の大学に進学したことを振り返り「大阪の音楽シーンに興味があった。大学ではフォークソング部に入部した」と明かす。劇場で、かつての友人と10年以上ぶりに再会し「あの頃に先輩に教わったテクニックや後輩に伝えなきゃと思って練習したこと等が、20年以上経っても自分の中にある」と懐かしむ。先輩や後輩に観てもらい「大阪での生活や大学がなかったら、今はもう音楽活動をやっていなかった。お世話になりました。これからもっと頑張るんで」と決意表明。3曲目は、ナオキさんなりの「真面目で、これ以上ないぐらいのバラード」として「I love you forever」を披露。さらに、最新曲「仕事行きたくない」で盛り上がりがピークに。この曲は第一興商DAMのカラオケで歌うことができ、90点以上取ると、【仕事しなくてよし】バッチが渡される。歌詞の内容にお客さんから笑い声が上がりながら「仕事行きたくない」等の歌詞を用いた掛け声や手拍子も上がった。
さらに、今作の監修を担い、出演もしている千葉大輔さんが登場。千葉さんは、今回の映画が半分はドキュメンタリー型式であることを明かす。本作は東京の高円寺・下北沢・渋谷で撮影されており「僕は渋谷ガビガビというロックバーを長年やっています。毎日、様々なミュージシャンが来ており、その中の一人がダイナマイト☆ナオキ」だと紹介。ある日、本作の監督を務めるミュージシャンの小野親一さんが来店し「映画を作りたい。ぜひ千葉さんも出てほしい。ガビガビでも撮影したい。脚本もあります」と相談を受ける。脚本を見せてもらい「感動した。何でも協力するよ」と伝え、気づくとプロデュースまで引き受けていた。そこで問題となったのは、主人公である清水健一のキャスティング。小野監督は、第一候補へのオファーを断られ「さらに様々な人にオファーしたが、40歳で売れないミュージシャンであり、うだつの上がらない雰囲気を醸し出している人は、なかなか見つからず…」と困難を極める。その中で依頼を受けたナオキさんは「ずっと断っていた。サングラスを外すことでさえも。結局、情けない役に納得がいかなかった」と承諾していなかったが、監督から電話があり「『主役不在のまま、クランクインしています』と受け、渋々に『わかりました、やりますよ』と伝えた」ことを明かした。千葉さんは、ナオキさんについて「ピッタリな役」と評し、ナオキさんも「ほとんどNGがなかった。日常会話がOKになった」と告白。ガビガビには外国人のお客さんも来ており「日本語がわからない状態で映画を観て感動された。『何処の世界でもこういうもんだ。売れないミュージシャンと支える妻は世界共通。ぜひアメリカでも上映してくれ』と云われ、現在、英語版を作っている」と明かした。
千葉さんは、作中でも歌った「僕のギター」を披露。楽曲について「実話なんです。ギターを売り買いすることがあるが、自分が持っているギターを前に所有していた人はどんな人なのか気になることがある。ある日、ふとTVを見ていたら、以前売った黄色のギターが音楽番組で若いギタリストが弾いていた。結果的に違ったが、そういうことがあるかなと思って曲を作ったが、まさか映画になるとは思わなかった」と打ち明ける。最後に映画のエンディングテーマとして書き下ろした「Keep on rockin’」を歌い上げ「『そろそろ~』シリーズ第2弾もやりたい」と意気込みながら、ライブは締め括られた。
映画『そろそろ音楽をやめようと思う』は、5月18日(金)まで大阪・十三のシアターセブンで1週間限定公開。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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