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次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指す「ndjc2024」がいよいよテアトル梅田でも公開!

2025年4月28日

©2025 VIPO

 

次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指す文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」の2024年度作品が完成し、5月2日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田で上映される。

 

文化庁委託事業「ndjc(new direction in Japanese cinema):若手映画作家育成プロジェクト」は、次代を担う優れた長編映画監督の発掘と育成を目指し、2006年度より始まり、2025年度で20年になる人材育成事業。優れた若手映画監督を公募し、本格的な映像製作技術と作家性を磨くために必要な知識や技術を継承するためのワークショップや製作実地研修を実施すると同時に、作品発表の場を提供することで、次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指している。
8月に行われたワークショップから選出され、製作実地研修に進んだ4人の若手監督が、講師による脚本指導を経て、各制作プロダクションの協力のもと、プロのスタッフ・キャストと共に短編映画を制作。フレッシュな感性と第一級の確かな技術が作り上げた個性豊かな短編映画4作品が上映される。

 

映画『スリーピング・スワン』…

大学中退後にレストランでアルバイトを続ける24歳のソウマは、ある朝の出勤途中、怯えた女子中学生を見かける。同じく24歳のマリナは、その場から立ち去ろうとする男を果敢にも追いかけて取り押さえる。数日後、自分を変えるべくトレーニングジムを訪れたソウマは、そこでマリナと再会。マリナと親交を深めていくなかで、ソウマは6歳上のいとこであるエリとの過去の出来事に向きあうことを決意する。出演は『オーガスト・マイ・ヘヴン』の諏訪珠理さん、『箱男』の白本彩奈さん。故郷である石巻での東日本大震災の経験を基に制作したドキュメンタリー『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』で高く評価された佐藤そのみさんが監督・脚本を手がけた。

©2025 VIPO

 

映画『あて所に尋ねあたりません』…

仕分け倉庫で働く派遣労働者の三石瑞穂は、同僚の島木雄史が離職することを知る。思いを伝えるため手紙を書いたものの、不器用な瑞穂は渡すことができない。雄史の穴を埋めるため新しく入った大沢圭介に仕事を教え、その日は終業時間を迎える。雄史の勤務最終日、瑞穂はなんとか彼と2人きりの状況をつくり、手紙を渡す。その日の終業後、瑞穂が忘れ物を取りに倉庫に戻ると、静かなはずの倉庫はなぜか騒がしく……。出演は講談師の神田鯉花さん、ファッションモデル・俳優の樋之津琳太郎さん。東京芸術大学大学院修了制作『移動する記憶装置展』がPFFアワード2023にて観客賞を受賞したたかはしそうたさんの監督・脚本作品。

©2025 VIPO

 

映画『いちばん星は遠く輝く』…

3年付きあった恋人と別れたアコは、半年が過ぎた現在も彼のことを忘れられず、彼にもらった指輪も捨てることができずにいた。ある日、アコは友人のユウコに呼び出され、死んでしまったペットのハムスターを夜の公園に埋葬する。ユウコは悲しみに暮れながらも、後日あっさりと新しいハムスターを飼いはじめる。別れを乗り越えて前へ進んでいくユウコの姿を見て、アコも元恋人を忘れるため新しい恋を始めようとするが……。出演は『猿楽町で会いましょう』『市子』の石川瑠華さん。長編デビュー作『ブルーを笑えるその日まで』で注目を集めた武田かりんさんの監督・脚本作品。

©2025 VIPO

 

映画『あわいの魔物たち』…

東京に暮らす35歳の野沢佳奈子は、パートナーの倫太郎と愛犬サビを連れて空き家となった実家を定期的に訪れ、いずれ売る時のために片付けを進めている。倫太郎はその家の近くの山でひとりで写真を撮るのが習慣だったが、今回は佳奈子も一緒に山へ向かうことに。2人は山中では別行動を取り、自然の中でそれぞれの時間を過ごす。しかし再び合流して実家に戻ってみると、サビがいなくなっており……。出演は『雨の中の慾情』の中村映里子さん、『佐々木、イン、マイマイン』の遊屋慎太郎さん。監督・脚本は、学生時代に自主制作した初監督作『頭痛が痛い』がPFFアワード2020にて審査員特別賞を受賞した守田悠人さん。

©2025 VIPO

 

若手映画作家育成プロジェクト ndjc2024」は、5月2日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田で公開。

毎年恒例の「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」。今年は5月にいよいよ大阪でも上映となる。例年、際立った個性的な作品を多くみられるが、今年はいつも以上に人間の繊細な感情の機微を丁寧に描いた作品が多い印象がある。しかも30分という短い時間の中で作り込んでおり、シンプルでありながら、重厚な物語を読んでいるような気分にもなった。中には、30分でありながらも、章立てに構成された作品までもあり、脚本づくりから徹底して何度も稿を重ねてきたことが伺える。

近年においても、インディペンデント作品を撮り続け、ndjcを経た先に商業デビューした先に高く評価されている若手監督がちらほらとおり、今回の4監督からも、その片鱗が見え隠れしているような気がしてならない。そんな未来が輝いていそうな若手映画作家を見つけに今年も劇場に駆けつけてみてはいかがでしょうか。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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