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クアラルンプールの荒廃したスラム地区に住む兄弟の過酷な運命を描く『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』がいよいよ劇場公開!

2025年1月28日

©2023 COPYRIGHT. ALL RIGHTS RESERVED BY MORE ENTERTAINMENT SDN BHD / ReallyLikeFilms

 

貧困層が暮らすクアラルンプールのスラム街で、ハンディキャップを抱えながらも堅実に生きる兄の姿と、稼ぎを求め裏社会と繋がりを持つ弟の危険を顧みない生き様を描く『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』が1月31日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』は、マレーシアの首都クアラルンプールを舞台に、最下層の街で支えあって生きてきた兄弟の過酷な運命を描き、世界各地の映画祭で数々の賞に輝いたマレーシア・台湾合作映画。クアラルンプールのプドゥ地区にあるスラム街。不法滞在者2世など様々な国籍や背景を持つ貧困層の人々が暮らすこの地域で、身分証明書を持たないアバンとアディは兄弟として育った。ろう者のアバンは市場の日雇い仕事で堅実に生計を立てているが、アディは裏社会とつながっており危険と隣りあわせの日常を送っている。そんなある日、アディの実父の所在が判明し身分証明書発行の可能性が出るが、ある事件が兄弟の未来に暗い影を落とす。

 

本作では、台湾の人気俳優ウー・カンレンが兄アバンを熱演し、2023年の第60回金馬奨で最優秀主演男優賞を受賞。マレーシアのスター俳優ジャック・タンが弟アディを演じた。『ミス・アンディ』等の社会派作品をプロデュースしてきたジン・オングが長編初監督・脚本を手がけた。

 

©2023 COPYRIGHT. ALL RIGHTS RESERVED BY MORE ENTERTAINMENT SDN BHD / ReallyLikeFilms

 

映画『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』は、1月31日(金)より全国の劇場で公開。関西では、1月31日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や神戸・三宮のシネ・リーブル神戸、2月7日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、2月28日(金)より兵庫・豊岡の豊岡劇場で公開。

マレーシアの首都クアラルンプールにある富都(プドゥ)は、巨大な市場を中心とした、移民と貧困層が暮らす住宅地のエリア。多民族の人達が住む混沌とした街である。東南アジアの中でもマレーシアは経済発展が著しいが、その裏側へと追いやられている人達も実際にいることも現実だ。そういった状況下において不可抗力により、国籍がない状況に追い込まれ、不法移民としての扱いになってしまう。それは即ち、国の保障もなく、教育を受けられず、最低賃金も守られず、保険もない。兄アバンは、市場で働き続けるしかないが、なかなか未来が見えてこない。翻って弟アディは危険な道を歩き渡ろうとするが、リスクが大き過ぎる。そんな状況下においても、兄弟の絆は決して途切れることがないことが、どれほどに尊いことであろうか。なお、アバンを演じているのは、台湾の俳優であるウー・カンレン。ろう者の役ではあるが、発する言葉がなくとも感情表現が実に豊かで、どんな人物であるか本当に伝わってきた。どれほど未来が見えない過酷な状況下においても、自身の軸がぶれていないアバンを見事に演じているようだった。だからこそ、周囲の人物は彼から影響を受けてしまうんだろうな。心をかき乱されてしまうストーリーテリングであったが、最後には、じんわりと込み上がってくる思いを抱いてしまう作品であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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