阪神・淡路大震災を経験した若者を描く『その街のこども劇場版』が震災３０年の節目に全国各地で再上映！

2025年1月17日

“追悼のつどい”が行われる前日に神戸で偶然出会った男女が震災１５年目の朝を迎えるまで共に過ごす『その街のこども劇場版』が震災３０年の節目に全国各地で再上映される。

『その街のこども劇場版』は、阪神・淡路大震災から１５年目にあたる２０１０年１月１７日に放送されたNHKのスペシャルドラマを、新たな映像を加えて再編集した劇場版。子どものころに震災を体験し、現在は東京で暮らす勇治と美夏。２人は「追悼のつどい」が行われる前日に神戸で偶然知り合い、震災から１５年目の朝を迎えるまで時間をともにすることに。震災が残した心の傷に向き合うため、今年こそ「追悼のつどい」に参加すると心に決めていた美夏に対し、出張の途中になんとなく神戸に降り立っただけだと言い張る勇治。異なる震災体験をした２人の間には溝があるように見えたが、ある場所を訪れた際、美夏は勇治が長年抱え込んできた過去を垣間見る。復興を遂げた真夜中の神戸で、これまで語ることのできなかった２人の思いがあふれ出していく。

本作では、実際に震災を体験している森山未來さんと佐藤江梨子さんが主演。監督は、本作の後にもNHK連続テレビ小説「あまちゃん」、大河ドラマ「いだてん東京オリムピック噺」などの話題のドラマで演出を手がけた井上剛さん。脚本は『ジョゼと虎と魚たち』の渡辺あやさんが手掛けた。

『その街のこども劇場版』は、関西では、１月１７日（金）から１月２３日（木）まで神戸・三宮のシネ・リーブル神戸や京都・烏丸の京都シネマで公開。期間中は、以下の通り上映後のイベントを実施。

［シネ・リーブル神戸］

1/17(金)19:05の回　京田光広（プロデューサー）、聞き手：松下麻理（神戸フィルムオフィススタッフ）
1/18(土)12:00の回　森山未來（主演）、井上剛（監督）
1/19(日)19:05の回　大友良英（音楽）、聞き手：森本アリ（音楽家／「三田村管打団？」「音遊びの会」）
1/20(月)19:05の回　永幡由美子（神戸フィルムオフィス元スタッフ）、聞き手：松下麻理（神戸フィルムオフィススタッフ）
1/21(火)19:05の回　慈憲一（灘百選の会事務局長）、聞き手：土屋千佳（神戸フィルムオフィススタッフ）
1/22(水)19:05の回　堀之内礼二郎（映画『港に灯がともる』プロデューサー）、聞き手：京田光広（プロデューサー）
1/23(木)19:05の回　渡辺あや（脚本）、聞き手：片岡達美（神戸新聞・文化部次長）

［京都シネマ］

1/17(金)　15:40の回　井上剛監督

この予告編を観るだけで、様々な言葉にできない思いが込み上がってくる。関西では、大阪・十三のシアターセブンで毎年この時期に公開されてきた本作。舞台挨拶の取材に行ったこともある。監督らの話を聞くだけでも思いが込み上がってきてしまったこともあった。

１９９５年１月１７日、当時、小学校６年生３学期の頃に淡路島の実家で阪神・淡路大震災を経験した。確か前日には名古屋で小さい地震があったことは覚えている。そのニュースを家族で見ていながらボチボチ次は淡路にも来るかぁ、とか話していた。そして、その翌日、揺れで目が覚めた。起きた時、前日は凄い風吹いてたから、さらに強風になったのかなと思っていたら、床が物凄く揺れているのに気づく。いつまで続くんだろぅ、と恐怖に怯えながらうつ伏せになったまま布団のなかで固まっていた。鳴り止まないふすまやしょうじ、ガラスからの揺れている物凄い音。寝ていた隣にある大タンスから箱が落ちてきて、カラダのすぐそばにドスッと落ちる。隣に兄が寝ているとはいえ孤独を感じていた。本震が終わっても治まらない余震…あれ以来、ちょっとの揺れでも敏感になっていることには変わりない。ただ、家族の誰もが無事でいたことが幸いだ。

結局、家は潰れなかったけど家の壁じゅうにヒビが入った。左官屋さんに壁を塗り直してもらうまでに順番待ち、結局２年かかったな。塗り直してもらったことはありがたいのに、そういった仕事をしている側の家族にとっては、複雑な気持ちがあるんだな、と本作における勇治の台詞からヒシヒシと伝わってきた。あの頃のジブンと今のジブン、どこが変わって、どこが変わっていないだろう。もう３０年も経って随分と大人になっているはずだけど、強く生きていきたい。

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