ウェディングプランナーとして働く女性が親友の訃報を受けたことから物語が展開する『アイミタガイ』がいよいよ劇場公開!
©2024「アイミタガイ」製作委員会
突然の親友の訃報をきっかけに、結婚へ踏み切れなくなってしまった女性と、彼女をめぐる人々が織りなす群像劇を、亡き親友と女性の関係性を中心に描き出す『アイミタガイ』が11月1日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『アイミタガイ』は、親友を失った女性を中心に思いがけない出会いが連鎖していく様子を描いた群像劇。ウェディングプランナーとして働く梓は、親友の叶海が亡くなったことを知る。恋人である澄人との結婚に踏み出せずにいる梓は、生前の叶海と交わしていたトーク画面に変わらずメッセージを送り続ける。同じ頃、叶海の両親である朋子と優作のもとに、とある児童養護施設から娘宛のカードが届く。そして遺品のスマホには、溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知が入る。一方、金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を依頼しに行ったこみちの家で、中学時代の叶海との記憶をよみがえらせる。
本作は、作家の中條ていさんによる連作短編集「アイミタガイ」を黒木華さん主演で映画化。梓の恋人である澄人を中村蒼さん、亡き親友の叶海を藤間爽子さんが演じ、草笛光子さん、田口トモロヲさん、西田尚美さんが共演。『台風家族』の市井昌秀監督が脚本の骨組みをつくり、2020年に他界した佐々部清監督が温めていた企画をもとに、『彼女が好きなものは』の草野翔吾監督がメガホンをとった。
©2024「アイミタガイ」製作委員会
映画『アイミタガイ』は、11月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。
最近は、そんなに聞くことでもなくなったかな。”アイミタガイ”と聞いて、どのような言葉だと思うだろうか。漢字で書けば、「相見互い」。同じ境遇にある者同士が同情し、助け合うことであり、その間柄を意味する。類義語としては、「互助」があり、ピンとくる言葉でもあるだろうか。本作においては、様々な境遇や場面において、あと一歩を踏み出せない者達が単純に寄り添っていくのではなく、お互いに影響を受けながら、歩んでいく姿を描いていく。そして、群像劇ではあるのだが、この人とこの人が意外なところで繋がっていたことを徐々に気づかされていくのが微笑ましい。昔ながらの”アイミタガイ”が描かれたり、心の奥底で繋がっていくことで未来へと繋がっていくことが出来る”アイミタガイ”も描かれていたりすることにも気づかされた。市井昌秀監督が本作において脚本の骨組みをつくり、今は亡き佐々部清監督がまさに魂を注ぎ、草野翔吾監督が受け継ぎ完成させた今作。佐々部清監督は心から喜んでいるんだろうなぁ。そんな監督同士の”アイミタガイ”があってこそ完成した本作に込められた優しさをじっくりと堪能してほしい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
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