フジコ・ヘミングの4年間を見つめたドキュメンタリー『恋するピアニストフジコ・ヘミング』がいよいよ劇場公開！

2024年10月15日

世界的ピアニストのフジコ・ヘミングを題材にした、『フジコ・ヘミングの時間』以降の４年間を追ったドキュメンタリー『恋するピアニストフジコ・ヘミング』が１０月１８日（金）より全国の劇場で公開される。

映画『恋するピアニストフジコ・ヘミング』は、２０２４年４月に９２歳でこの世を去った世界的ピアニスト、フジコ・ヘミングの日々を見つめたドキュメンタリー。９０歳を超えても世界中で精力的に演奏を続け、２０２４年も多くの公演を控えていたなかで逝去したフジコ・ヘミング。サンタモニカ、パリ、東京に家を持ち、愛する猫や犬に囲まれてピアノを弾く毎日が、彼女の愛すべき世界だった。２０１８年に公開されロングランヒットを記録したドキュメンタリー映画『フジコ・ヘミングの時間』の小松莊一良監督が、２０２０年からの４年間にわたる旅路を撮影。戦時中を過ごした岡山に残されているピアノとの再会、父や弟との思い出、コロナ禍での暮らしと祈りを捧げる演奏、思い出の地・横浜でのドラマティックなステージ、そして秘めた恋の話など、いつの時代も、どこで暮らしても、自分らしく生きてきた彼女の姿を、４Ｋカメラで撮影したダイナミックな演奏シーンを盛り込みながら映し出す。２０２３年３月のパリ・コンセルバトワール劇場でのコンサートでは、「ラ・カンパネラ」「別れの曲」「月の光」など数々の名曲を披露した。

映画『恋するピアニストフジコ・ヘミング』は、１０月１８日（金）より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のＴ・ジョイ梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のＭＯＶＩＸ京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。

今年４月にこの世を去ったフジコ・ヘミングさんがコロナ禍における日々を追いかけた本作。９２歳で逝去したということは、第二次世界大戦の大変さを知っており、コロナ禍について恐れず、真摯に音楽に向き合い、大変な思いをしているファンに向けて素直な思いを伝えていく姿には、底知れぬ労いの想いを感じてしまった。そういった精神があるからこそ、老いる身体には逆らえぬとも、ピアノに触れれば類稀なる才能を発揮できることに畏れ入るばかり。繊細な旋律の中に哀れみや悼みの想いがあることも伝わってきた。本作を観ていると、実は今年４月に亡くなったなんて到底思えない。２０２３年１１月に自宅の階段で転倒して脊髄損傷の大怪我を負い、治療とリハビリに努めていたが膵臓がんも発覚したとのこと。膵臓がんは、異的な症状はなく、早期の場合はほとんどは無症状で、多くは進行してから発見されることが多いので、切ない気持ちにならざるを得ない。とはいえ、本作に悲壮感は一切なく、世界的ピアニストの生涯と撮影当時の姿を真摯に伝えていく作品である。映画として記録出来たことがどれだけ意義深いことであるか存分に伝わってきた。

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