11歳の少女が父親と過ごした夏休みを20年後に父親と同じ年齢になった彼女の視点で綴る『aftersun/アフターサン』がいよいよ劇場公開!
©Turkish Riviera Run Club Limited, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute & Tango 2022
残された映像から父親の記憶を手繰り寄せる娘を描く『aftersun/アフターサン』が5月26日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『aftersun/アフターサン』は、父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。
本作では、テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズが務めた。
©Turkish Riviera Run Club Limited, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute & Tango 2022
映画『aftersun/アフターサン』は、5月26日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマやシネ・リーブル梅田、難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都や烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際やシネ・リーブル神戸等で公開。
所謂家庭用ビデオカメラによって撮影された映像の連続が印象深く残っていく本作。この映像が多いことで、多くを語らず、最小限な演出によって、観客に深い余韻をもたらしてくれた。誰もが心の片隅に存在しているであろう、大切な家族との記憶を呼び覚ますことができるのかもしれない。あの時、あんな選択をして行動していなかったら、ちょっとだけその後の未来は変わっていたかもしれなかったかな、と。それらの映像に寄り添うように流れるのは、R.E.Mやブラー、ロス・デル・リオやチャンバワンバ等々、1990年代の楽曲が中心で、アラフォー世代には懐かしさ全開である。子供の頃に戻ることは出来ない。当時の陽気さからすると、今は日没後(アフターサン)の如く、日々を生きていると云ってもいいだろうか。かけがえのない時間を懐かしみ感傷に浸ってしまうことを肯定してくれる良き作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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