台湾の日本神を巡る旅を6年にわたって記録したドキュメンタリー『軍服を着た神様』がいよいよ劇場公開!
©2025 SANSARO FILM LLC
台湾の50ヶ所以上で祀られている“日本人の神様”をめぐるドキュメンタリー『軍服を着た神様』が8月1日(土)より全国の劇場で公開される。
映画『軍服を着た神様』は、台湾各地に存在する”日本人の神様”の謎を追ったドキュメンタリー。かつて日本が植民地として統治していた台湾には、軍服を着た日本人が神様として祀られている場所が50ヶ所以上もあるという。文化人類学者の藤野陽平と記録映像作家の遠藤協が、台湾各地の「日本神(にほんがみ)」を訪ね歩く旅を、コロナ禍を挟んで足かけ6年にわたって記録。謎をたどっていくうちに、日本神がそれぞれひとりの人間として確かに存在した事実が明らかになり、彼らの数奇な運命と、台湾の民間信仰のあり方、そして日本が台湾に残してきた戦争の痕跡が浮かび上がる。異国の地でさまよい死後の世界を生きる日本人の魂と、その魂を慰撫し神として祀る台湾の人々、神となった先祖と出会いなおす日本の子孫たちの姿を通し、死者を悼み弔う心が生んだ、日本と台湾の知られざる交流を描き出す。監督は民俗学的なモチーフを得意とし、『廻り神楽』で第73回毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞を受賞した遠藤協さん。音楽ユニット”馬喰町バンド”のメンバーで美術家としても活動する武徹太郎さんが音楽とアニメーションを手がけた。

©2025 SANSARO FILM LLC
映画『軍服を着た神様』は、8月1日(土)より全国の劇場で公開。関西では、8月28日(金)より京都・出町柳の出町座、8月29日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。また、神戸・元町の元町映画館でも公開予定。
かつて、日本は台湾を占領し、半世紀にたわって植民統治を行った。そこで、インフラを整備し、国として発展させた、という視点もある。それ故に、日本人を神として讃えたのか!?と思ったが、そういったストーリーではないことが本作を観ると理解できる。どちらかといえば、昔から長く伝えられている自然や土地や祖先などを大切にする考え方や習慣といった、土着信仰に近しいものであろうか。台湾を長らく統治した者や奇しくも亡くなった方である軍人が、死後の世界を魂となっていき、ひょんなことから台湾の方の夢に出てきたことから、その魂を慰撫し神として祀るようになったそうだ。なお、台湾では、多くの人が幽霊や目に見えない霊的存在の存在を深く信じているようで、神として祀ることは自然な流れと云えようか。だが、その謂れを気にしないようになった方もいるが故なのか、御利益がある神として考えるようになり、宝くじが当たるように願う方もいるのは、滑稽なことのようにも感じられた。そんな風にして、本当に”軍服を着た神様”が存在していることは実に興味深い出来事である。とはいえ、日本人が神社仏閣で祈願することにも共通しているのかもしれない。日本に近しい国において、このような習わしを知ることができたのは喜ばしい限り。文化人類学者の視点を以て、最後まで興味深い作品に仕上がっている。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















