“ゴミ”から始まるロマンス映画『黴の花』がいよいよ劇場公開!
©All Rights reserved Sinae film
“捨てたゴミに本当の姿が表れる”と信じて他人のゴミをファイリングしている女性が、隣人の男性と心を通わせる様を描く『黴の花』が4月3日(金)より劇場で公開される。
映画『黴の花』は、”ゴミ”という最も私的で無防備な痕跡を手がかりに他者を理解しようとする女性の姿を描く異色のロマンス映画。恋愛に深いトラウマを抱えるジスは、「捨てたゴミに本当の姿が表れる」との考えから、他人のゴミを密かに拾い集めてはファイリングしている。ある日、丁寧に分別されて捨てられたゴミ袋を見つけた彼女は、それが隣人男性ウジェのものだと知り、ゴミから得た断片的な情報を手がかりに彼に接近する。2人は徐々に心を通わせていくが、ある夜、ウジェはゴミ袋を手にアパートへ入っていくジスの姿を目撃し、彼女の秘密を知ってしまう。
本作では、韓国文学界で数々の賞を受賞してきた作家ハ・ソンナンの短編小説「Flowers of Mold」を原作に、韓国のガールズグループRAINBOWの元リーダーで現在は俳優として活躍するキム・ジェギョンが主演を務めた。過去の恋愛経験から他人を信じられなくなった主人公ジスをキム・ジェギョンが熱演し、テレビドラマ「ロースクール」のヒョヌが隣人ウジェ役で共演。前作『A Bedsore』で注目されたシム・ヘジョン監督がメガホンをとり、全州国際映画祭2023にてCGV賞とWatcha’s Pick長編映画賞を受賞した。

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映画『黴の花』は、4月3日(金)より東京・新宿のシネマート新宿で公開。
“捨てたゴミに本当の姿が表れる”と信じて他人のゴミをファイリングしている…そんな女性が主人公の映画として、おもわず、2000年に公開された日本映画『東京ゴミ女』を想起してしまった。それは、片想いの相手の全てを知りたくて、彼のゴミを盗んでは収集する女性の歪んだ恋愛の顛末を描いており、本作とは趣向が違っているであろうか。人には見せられないけれども、自身の営みについて端的に表しているのがゴミであろうか。この主人公は、浴槽で洗いながらも、他人のゴミを調査し、その情報も含めてファイリングする。理解し難いことではあるが、分からなくもない。だが、ゴミを収集されて勝手に分析されてしまった者としては、憤りや怒りを抱かずにはいられない出来事だ。そんな主人公は、恋愛へのトラウマを抱えており、それを解消するべく、自らの仕事である通販会社のカスタマー対応部門での仕事が功を奏して転じた結果が、このような習慣となったのだろうか。されど、そんな彼女はふとしたきっかけから、隣人との新たな人間関係を築くことに。そこでも、ゴミによって関係性を深めていくのが、なんともはや…されど、ちょっとしたことから、自身の営みは総崩れしていくことは、よくある出来事かもしれない。だが、それこそが自らの人間性を大きく変えるチャンスと成り得るものだ。それゆえに、『黴の花』(原題は『Flowers of Mold』、つまり黴の花)というタイトルは、自らの”誇り”にとらわれるものではない、といったメッセージが込められているようにも感じられる。
- キネ坊主
- 映画ライター
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- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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