命懸けでインドに密入国した一家が巻き起こす善意の連鎖を描いた『ツーリストファミリー』がいよいよ劇場公開!
© Million Dollar Studios © MRP Entertainment.
貧困から脱出するためにスリランカからインドへ密入国した一家が、素性がばれないように暮らしながら、近隣住民と交流する様をユーモアを交えて描く『ツーリストファミリー』が2月6日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ツーリストファミリー』は、スリランカからインドに密入国した一家が巻き起こす善意の連鎖とささやかな奇跡を、笑いと涙を交えながら描いたインド映画。スリランカでは26年におよぶ内戦と経済破綻により多くの国民が貧困に陥り、隣国インドへの経済難民が増加していた。夫ダースと妻ワサンティ、息子のニドゥとムッリの4人家族は母国での困窮生活に見切りをつけ、夜に紛れてインドに密入国する。ワサンティの兄の助けもあり州都チェンナイにどうにか居を定めた彼らは、身分を偽り、言葉で素性がばれないように近所との接触を避けながら新生活を送りはじめる。しかし素朴で人懐っこい彼らは、狭い町内でさまざまな出来事に巻き込まれ、いつしか周囲の人々と交流を持つようになっていく。そんな中、一家はテロ事件を追う警察から疑いの目を向けられてしまう。
本作では、シャシクマール、シムラン、ミドゥン・ジェイ・シャンカル、カマレーシュ・ジャガン、ヨーギ・バーブらが出演。新人監督アビシャン・ジービントによる低予算作品ながら口コミで評判を呼び、インドで大ヒットを記録した。

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映画『ツーリストファミリー』は、2月6日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都や烏丸御池のアップリンク京都、兵庫・神戸のシネ・リーブル神戸等で公開。
1983年から2009年にかけて展開されたスリランカ内戦は、総人口の7割を多数派民族であるシンハラ人が、国の北部・東部を中心に居住する2割弱のタミル人より優遇を受けていたことで、民族間の対立が高まっていたことによって起こっていた。この内戦によって28万人のタミル人が国内避難民となってしまう。内戦の終結後は元々住んでいた土地への帰還が進められたが、本作で描かれるように、隣国インドへの経済難民が多くいたことも現実だ。とはいえ、決して本作は、不法入国を推奨しているわけではないことを予め書いておく。だが、穏やかな家族が内戦に巻き込まれ、生まれ育った土地を離れざるを得なかったことも認識しておかなければならない事実だ。そして、インドで暮らす方々も隣国であるスリランカが大変な状況になっていることを認識しており、否応なしに返すことができないのも現実であろう。本作で描かれる家族は、世渡り上手なキャラクターも描かれるが、基本的には誠実な人物として描かれていく。スリランカからの移民であることをいきなり打ち明けることはできず、嘘をつかなければ生きていけない状況に自らを追い込んでいくことになるが、結局はその場しのぎな手立てにならざるを得ない。でも、いつかは…と考えると、やはり誠実な人柄が伝わってきて、真摯に自らと向き合うことが大切だと思わされてしまう。相手がどのような人物であるか、見抜く人達はいくらでもいる。そこで誠実な思いを以て相対することで信頼関係を築くことができる、と本作は伝えていく。派手さだけはない、良質なヒューマンドラマが描かれたインド映画が日本に届けられたことが実に喜ばしい限り。是非とも劇場でじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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