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1960年代の高度経済成長に沸く日本で実際に起きた事件を描く『ブルーボーイ事件』がいよいよ劇場公開!

2025年11月11日

©2025 『ブルーボーイ事件』 製作委員会

 

1960年代の高度経済成長期の日本を舞台に、実際に起きたブルーボーイ事件と、性別適合手術の合法性をめぐる裁判に着想を得た社会派ドラマ『ブルーボーイ事件』が11月14日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ブルーボーイ事件』は、高度経済成長期の日本で実際に起きた”ブルーボーイ事件”を題材に、性別適合手術の違法性を問う裁判に関わった人々の姿を描いた社会派ドラマ。1965年、オリンピック景気に沸く東京。警察は街の国際化に伴う売春の取り締まりを強化していたが、性別適合手術を受けた”ブルーボーイ”と呼ばれる者たちの存在に頭を悩ませていた。戸籍は男性のまま女性として売春をする彼女たちは、現行の売春防止法では摘発対象にならないのだ。そこで警察は、生殖を不能にする手術が”優生保護法”に違反するとして、ブルーボーイたちに手術を施した医師の赤城を逮捕し裁判にかける。一方、東京の喫茶店で働くサチは、恋人にプロポーズされ幸せの絶頂にいた。ある日、赤城の弁護を担当する弁護士の狩野がサチのもとを訪れる。実はサチには、赤城による性別適合手術を受けた過去があった。サチは狩野から、赤城の裁判に証人として出廷してほしいと依頼される。

 

本作では、主人公であるサチ役のキャスティングにあたってはトランスジェンダー女性を集めたオーディションを実施。ドキュメンタリー映画『女になる』に出演経験はあるが演技は初挑戦の中川未悠さんを、主演に抜てきした。サチのかつての同僚達をドラァグクイーンのイズミ・セクシーさんとシンガーソングライター・俳優の中村中さん、弁護士の狩野を錦戸亮さんが演じた。監督は『フタリノセカイ』等トランスジェンダー男性というアイデンティティを反映させた作風で国内外から注目を集める飯塚花笑さんが務めた。

 

©2025 『ブルーボーイ事件』 製作委員会

 

映画『ブルーボーイ事件』は、11月14日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や心斎橋のkino cinema 心斎橋や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

トランスジェンダー男性である飯塚花笑監督は、インディペンデント作品時代から一貫して性的マイノリティに関する作品を手掛けてきた。ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2011で審査員特別賞を受賞した自伝的作品『僕らの未来』では、性別不合に悩む高校生を描き、商業デビュー作『フタリノセカイ』では、トランスジェンダーとシスジェンダーのカップルがたどる10年間を描いている。前作『世界は僕らに気づかない』では、同性の恋人がいる青年が母や恋人との関係を通して愛に出会うまでを描いた。どの作品も、トランスジェンダーである自身の経験をもとにして撮りあげている。そして、今回は、実際に起きた事件をもとにした作り上げた。

 

1960年代、東京オリンピックや大阪万博で湧く高度経済成長期の日本の中で、街を浄化するために性別適合手術を受けた”ブルーボーイ”達を浄化しようとした…これは、現在においても似たような状況があるのではないか。時期は前後するが、2020年代に東京オリンピックや大阪・関西万博が開催されたと同時に、日本には1%にも満たないと云われているトランスジェンダーの方への誤った批判が行われている。このような歴史が繰り返されていいのだろうか。1960年代ならば今よりもっとカミングアウトできないだろう。だが、トランスジェンダーの方は日々を営んでいるのだ。取り締まりをするべく性別適合手術を行った医師を起訴するが、手術を受けたトランスジェンダーの方が証人となる必要があり、なかなか手を挙げる方がいないのが実情。そんな中で証人として出廷した方が本作の主人公である。この主人公を演じたのは、トランスジェンダー女性である中川未悠さん。ドキュメンタリー映画』に出演経験はあるが演技は初挑戦であり、それ故の演技がリアリティがあったことが好印象だ。そして、周囲の人物を適材適所にベテラン俳優達がキャスティングされていることで、社会派作品として見事に成立している一作となっている。だからこそ、本作によって正しい知識と歴史が知られ、どのような性を授かった方も幸せに生きることができる多様な社会が出来上がっていくことを願ってやまない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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