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コンテチーズの生産地に生きる若者の青春譚『ホーリー・カウ』がいよいよ劇場公開!

2025年10月6日

©2024 – EX NIHILO – FRANCE 3 CINEMA – AUVERGNE RHONE ALPES CINEMA

 

フランスのジュラ地方を舞台に、不慮の事故で父を亡くした青年が、妹の世話をしながら人生を切り開こうとする姿を、山の大自然とともに描く『ホーリー・カウ』が10月10日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ホーリー・カウ』は、「フランスで最も愛されるチーズ」と言われるコンテチーズの生産地であるジュラ地方を舞台に、無軌道に過ごしてきた青年がチーズ職人だった父の死をきっかけに、幼い妹と生きていくためチーズづくりに挑む姿を描いた青春ドラマ。ジュラ地方で暮らす18歳のトトンヌは、仲間と酒を飲み、パーティに明け暮れる気ままな日々を過ごしていた。ある日、チーズ職人の父が不慮の事故で亡くなり、トトンヌは7歳の妹の面倒を見ながら、生計を立てる方法を見つけなければならなくなってしまう。そんな中、チーズのコンテストで金メダルを獲得すれば3万ユーロの賞金をもらえることを知った彼は、伝統的な製法で最高のコンテチーズをつくることを決意する。

 

本作では、ジュラ地方出身の新鋭ルイーズ・クルヴォワジエが監督を務め、美しいだけではない農村の暮らしを圧倒的なリアリティで描き出す。キャストには地元の演技未経験者を起用し、農場を営むクルボワジエ監督の家族が音楽や美術スタッフとして参加。2024年の第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にてユース賞、2025年の第50回セザール賞にて最優秀新人監督賞を受賞し、小規模作品ながらフランスでは約100万人を動員する大ヒットを記録した。

 

©2024 – EX NIHILO – FRANCE 3 CINEMA – AUVERGNE RHONE ALPES CINEMA

 

映画『ホーリー・カウ』は、10月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、10月10日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田と京都・烏丸の京都シネマ、10月17日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

チーズ職人の父が不慮の事故で亡くなり、突如としてチーズをつくることを決意する息子が主人公の物語。現実的にも、子どもがチーズを作らざるを得なくなってしまった事例はいくらでもあるんだろうな、と想像してしまう。しかも、キャストには地元の演技未経験者を起用しているというのだから、驚くしかない。とはいえ、農場を営む監督の家族が音楽や美術スタッフとして参加しているのだから、インディペンデント作品としてはしっかりとした出来栄えだ。それが、フランスで60~70人に1人の割合で鑑賞しているのだから、どれほどの規模で大ヒットしたのか想像できる。実際、兼業農家で育った者としては、いきなり実家の農業を引き継がなければいけないとなったら、どうにかしようとするだろうが、投げ出したくなるだろう。だが、本作の場合、紆余曲折を経ながらも、コンテストの賞金目当てにチーズづくりを目指すのがおもしろい。その手段についての是非は大いにあるのだが、見よう見まねでチーズ作りに励みながら、主人公が大人になっていく姿は微笑ましくもあるだろうか。不器⽤でやんちゃな青年でありながらも、愛らしくて憎め
ない存在ではあるが、現実に直面しながら前に向かっていく姿が良かった。監督はこの物語の行く末をどのように考えているのか、伺ってみたいものだ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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