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韓国で非常戒厳が宣布された背景を記録したドキュメンタリー『非常戒厳前夜』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2025年9月23日

©KCIJ-Newstapa

 

2024年12月、韓国のユン・ソンニョル前大統領によるメディアへの弾圧と、抵抗するジャーナリストを追ったドキュメンタリー『非常戒厳前夜』が9月27日(土)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『非常戒厳前夜』は、韓国の調査報道専門・非営利独立メディア「ニュース打破(タパ)」が製作したドキュメンタリー映画。2024年12月、ユン・ソンニョル大統領による突然の「非常戒厳」宣布から始まった韓国社会の混乱と、その裏側で進行していた国家権力による言論弾圧、そしてそれに立ち向かったジャーナリストたちの闘いを描く。2024年12月3日、ユン・ソンニョル大統領が突如「非常戒厳」を宣布し、韓国社会は混乱に陥る。200万人規模のデモが繰り返され、市民たちは大統領弾劾を実現した。2025年7月にはユン前大統領が再逮捕され、8月12日にはキム・ゴンヒ前大統領夫人も逮捕される。なぜユン大統領は「非常戒厳」を宣布したのか。その背景には、日本のマスメディアがほとんど報じない、ユン政権によるメディア弾圧と、それに抗したジャーナリストたちの闘いがあった。本作を製作したニュース打破は、イ・ミョンバク政権のメディア介入で公共放送を不当解雇された、あるいは辞職したジャーナリストらが中心となって設立された調査報道専門の独立メディア。報道の独立性を守るため企業広告を受けず、約6万人の市民からの支援で運営されている。

 

©KCIJ-Newstapa

 

映画『非常戒厳前夜』は、関西では、9月27日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場、10月3日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、10月4日(土)より神戸・元町の元町映画館、10月24日(金)より兵庫・豊岡の豊岡劇場で公開。

2024年12月、ユン・ソンニョル大統領による突然の非常戒厳宣布をニュースで知った時、韓国で一体何が起こっているの!?と驚かされた。また、数時間後には、国会では素早く解除の要求が議決。翌朝には、ユン大統領が解除する旨を表明。韓国で危険な時代が再びやってくるのか、と恐れていたが、すぐに事態が一変するという状況に対して、何を思えばいいのか、分からずにいた。そして、現在は、元大統領夫妻が逮捕に至っているのだから、その真相を知りたくなるのは自然な流れだ。そこで、イ・ミョンバク(李明博)とパク・クネ(朴槿恵)政権の約9年間にわたる言論弾圧の実態を告発したドキュメンタリー『共犯者たち』や、韓国・国家情報院による北朝鮮スパイ捏造事件の真相を暴いたドキュメンタリー『スパイネーション 自白』を手がけた非営利独立メディアである「ニュース打破」の視点によって描いていく。だが、韓国市民の支援によって成り立っており、YouTubeを通じて放送を開始したニュースサイトであることから、大手メディアからはフェイクニュースだと揶揄されることは如何ともしがたい。だが、本作の監督であり、ニュース打破の代表(当時、現在は現場記者に復帰しているとのこと)であるキム・ヨンジンの姿を見ていると、嘘を伝えているとは感じられない。他者が伝えようとしない真実について忖度せずに報道しようとする真摯な姿が印象的だ。報道当時はフェイクニュースだと罵られたとしても、後になってみれば、真実であることは明らかであり、現実が物語っている。だからこそ、ドキュメンタリー映画として後世に残していくことが有意義な一作であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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