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いくつもの顔を持った実在の人物エドワルド・リモノフの半生、そして愛と破滅を描く『リモノフ』がいよいよ劇場公開!

2025年9月2日

©Wildside, Chapter 2, Fremantle Espana, France 3 Cinema, Pathe Films.

 

エマニュエル・キャレールによる伝記小説を基に、ウクライナに生まれた実在する破天荒な20世紀の革命家の半生を描く『リモノフ』が9月5日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『リモノフ』は、詩人や革命家などいくつもの顔を持ち、世界から危険視されながらも多くの人々を魅了した実在の人物エドワルド・リモノフの激動の人生を描いたドラマ。ソビエト連邦下のロシアに生まれたエドワルド・リモノフは、1950~1960年代をウクライナ・ハルキウとモスクワで過ごす。反体制派や詩人たちが集う別荘に入り浸るなかでエレナと出会い恋に落ちたリモノフは、彼女とともにロシアから亡命し、名声と自由を求めてアメリカを目指す。ニューヨークで自由を手にしたものの、職も金も居場所もなく、エレナにも別れを告げられた彼は、孤独と挫折に打ちのめされながらも自らの言葉で世界と闘い続ける。やがてフランスの文学界で注目を集めたリモノフはパリに渡り、ついに作家としての名声を手にするが…

 

本作では、『007』シリーズのQ役で知られるベン・ウィショーが主演、エマニュエル・キャレールによる傑作伝記小説「リモノフ」を原作に、『インフル病みのペトロフ家』『チャイコフスキーの妻』で知られるロシアのキリル・セレブレンニコフ監督が、圧巻の映像と徹底したシニシズムで映画化。『戦争と女の顔』のビクトリア・ミロシニチェンコ、『グラディエーター』のトマス・アラナが共演。2024年の第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。

 

©Wildside, Chapter 2, Fremantle Espana, France 3 Cinema, Pathe Films.

 

映画『リモノフ』は、9月5日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮の kino cinema 神戸国際等で公開。

ロシアの思想家であり、政治家であり、作家であり、新聞記者であり…と自らの信念を貫くならば、ありとあらゆる活動を続けてきたエドワルド・リモノフ。本作で描かれている姿を見るだけでも、どれだけ尖がっている人物であるか、容易に伝わってくる。三島由紀夫の影響を受けており、作家として、野心のある若者への助言を書き続けており、ロシアの中でもどれだけ影響があったか、ゾクゾクとするレベルで伝わってきた。それゆえに彼と同様に標榜する若者が出現してくるほどにはカリスマ性があると同時に、彼を毛嫌いする人間が存在しているのも事実だ。文筆活動を続けながらも、ソ連の統治方針に疑問を抱き反体制活動家として行動しながら、ソ連国籍剥奪と国外追放処分を受けた、と云われることも納得せざるを得ない。そんなリモノフの半生を描く映画を製作するならば、一体誰が彼を演じ切れるのだろう…製作陣はキャスティングに苦労しただろうか。まさか、ベン・ウィショーがこのような大胆不敵なキャラクターを演じ切るとは…その才能に脱帽するばかりだ。とはいえ、ウクライナ侵攻が勃発した中で撮影は難航したようだ。よくぞ5年もかけて製作したんだな、と感服せざるを得ない。未だウクライナ侵攻の終わりが見えそうで見えない中で、世界で公開される意義をかみしめたい一作である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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