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終戦80年企画『ジョニーは戦場へ行った』『野火』4K版がいよいよ劇場公開!

2025年7月29日

©ALEXIA TRUST COMPANY LTD. ©KADOKAWA 1959

 

終戦80年を迎える今夏、戦争映画不朽の名作2 作品『ジョニーは戦場へ行った』『野火』4K版が8月1日(金)より全国の劇場で公開される。

 

 

映画『ジョニーは戦場へ行った』4K版は、『ローマの休日』『スパルタカス』等の名脚本家ダルトン・トランボが、自身の反戦小説を原作に、1971年に自ら監督・脚本を兼ねて映画化。第1次世界大戦でほぼすべての身体機能を失った青年兵士の視点から、戦争の本質や非人間性を浮き彫りにした。第1次世界大戦下のヨーロッパ戦線に出征したアメリカ人兵士ジョーは、砲弾を受けて目、鼻、口、耳を失い、運び込まれた病院で両腕と両脚も切断されてしまう。首と頭はわずかに動き、皮膚感覚だけが残った彼は、姓名不詳の「407号」と呼ばれることになる。鎮痛剤を打たれ意識が朦朧とするなか、出征前に最愛の恋人カリーンと過ごした一夜や、釣り好きだった父との日々を回想するジョーだったが…
『ラスト・ショー』のティモシー・ボトムズが主演を務め、『M★A★S★H マッシュ』のドナルド・サザーランド、『大統領の陰謀』のジェイソン・ロバーズ、『塵に咲く花』のマーシャ・ハントが共演。1971年の第24回カンヌ国際映画祭にて審査員特別グランプリ、国際映画批評家連盟賞などを受賞。

 

©ALEXIA TRUST COMPANY LTD.

 

映画『野火』4K版は、小説家の大岡昇平さんが自身のフィリピンでの戦争体験をもとに執筆した傑作戦争文学を、巨匠の市川崑監督と脚本家の和田夏十さんによるコンビが映画化。第2次世界大戦下のフィリピン・レイテ島を舞台に、肺病におかされた中年兵士が飢餓と孤独に苦しんだ末に目の当たりにする、陰惨な戦場を描き出す。第2次世界大戦末期のレイテ島。日本の敗戦が濃厚となるなか、肺病を患った一等兵の田村は部隊から追い出され、病院でも食糧不足を理由に入院を断られてしまう。病院の前で、田村は同じく厄介者として見放された若い兵士の永松や、足を負傷し歩けなくなった中年兵の安田と出会う。飢えに駆り立てられるように熱帯のジャングルをさまよう田村は、道中で出会った別の部隊と行動を共にするが、米軍の一斉砲撃により他の兵士が全滅してしまい…
船越英二さんが主演を務め、極限状態に追い込まれた兵士役を熱演。1961年の第14回ロカルノ国際映画祭でグランプリに輝いたほか、国内外で数々の映画賞を受賞した。

 

©KADOKAWA 1959

 

映画『ジョニーは戦場へ行った』『野火』4K版は、8月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、8月1日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都、大阪・十三の第七藝術劇場では、8月2日(土)より『ジョニーは戦場へ行った』4K版、8月¥9日(土)より『野火』4K版が公開。

『ジョニーは戦場へ行った』と『野火』、両作品共に戦争に巻き込まれてしまった者が抱える憤りを感じずにはいられない。『ジョニーは戦場へ行った』は、名脚本家ダルトン・トランボが手掛け、第1次世界大戦によって死の淵を歩き、奇跡的にどうにか生き残っている状態の中で、人体実験として生き長らえていることに憤りしか感じられなかった。生きているのか死んでいるのか分からない状態で、過去の思い出に浸ることしか出来ず、現実では周囲の人間と会話をすることが出来ず、どうしようもない。翻って、回想シーンがあれど、これだけで1本の作品として仕上げてしまうダルトン・トランボの手腕に驚くばかりだ。『野火』は、塚本晋也監督作品によって改めて知られるようになったが、今回、市川崑監督版を鑑賞し、飢えはここまでも人間らしさを失わさせてしまうものなのか、とヒシヒシと伝わってきた。塚本晋也監督作品とは違った印象が残るように感じられる。とはいえ、どちらの監督作品にも共通する台詞があり、それだけ訴求する力がある事柄なのだ、と感じた…〇〇を◇◇する、ということは。制作した国は違えど、戦争は、狂おしく人間を変えてしまうものだと感じさせられた。観客としては過酷な思いをすることになってしまうが、戦後80年の今夏、改めて鑑賞する意義がある作品である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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