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3人の新鋭監督が織りなす、上映時間が終わろうと 観客を現実へと帰さない「終点なき映画たち Route:1」がシアターセブンでも公開!

2025年7月29日

思わず現実を逸脱したくなる魅惑的な嘘(フィクション)で、たとえ上映時間が終わろうとも観客の心を虚構世界から現実へ帰そうとしない《終点なき映画》を日々生み出す3人の新世代監督の劇場公開デビュー作を連続公開する「終点なき映画たち Route:1」が大阪・十三のシアターセブンでも公開される。

 

 

映画『Sappy』は、存在価値に飢える男が面白い小説を完成させようとするなかで妄想に飲み込まれていく姿を描いた作品。大都市の東京で群衆に埋もれて生きる人々を「連中」と見下しながら、「価値のある人間」になるため小説家を目指している男。しかし恋人から小説を酷評された末に振られ、編集者からもデビューは難しいと言われていた。水商売の送迎運転手のアルバイトをしている彼は、「連中」とは違うと感じた風俗嬢と出会うが、そこでも他人を見下す態度をとり拒絶されてしまう。男の知人である人気小説家の小林は、現実と創作の停滞に苦悩する彼に、面白い小説を完成させるためアドバイスをするが…
『あとがき』の猪征大さんが主演を務め、『真夜中乙女戦争』等に出演する結城あすまさん、俳優としても活動するシンガーソングライターの川上明莉さんが共演。上田修生監督が長編初メガホンをとり、第23回TAMA NEW WAVE「ある視点部門」に選出された。

 

©NIHILISM WORKS/Cinemago

 

映画『女』は、正体も実在も不明の「ある女」に人生を狂わされる男たちの愛憎と戦慄を描いたスリラー映画。悟は大学時代からの恋人ミサにプロポーズをしようと考えていた。ある日、悟が地元の旧友にミサの写真を見せると、友人は4年前まで彼女と交際していたと話す。さらにもう1人の友人も、同じ時期に彼女と関係があったという。悟がミサと交際している時期とも重なっているが、当時それぞれが暮らしていた場所は遠く離れており、彼らは名前と容姿がうり二つでありながら同一人物ではない「女」と付きあっていたことが判明。この出来事をきっかけに、悟はミサへの愛情やこれまでの信頼関係、さらには彼女の「存在」自体について疑念を抱きはじめる。
早稲田大学社会科学部在学中の北野陽太さんが監督・脚本を手がけ、ミステリアスなストーリー展開と独特の雰囲気で描きだす。カナザワ映画祭2024「期待の新人監督」部門に選出された。

 

©KITANO YOTA/Cinemago

 

映画『フィクティシャス・ポイント』は、現実と虚構の狭間で連続殺人事件に巻き込まれていく女性の旅路を描き、物語における主人公の本質に迫った空想連続活劇。久坂部碧は幻影に囚われていた。それは光あふれる教室の窓辺で本を読む青年と「漣聖司」と書かれた檸檬色の栞で、いずれも碧には見覚えがない。しかし碧は突如として、漣聖司と架空犯罪調査局をめぐる連続殺人事件に巻き込まれてしまう。現実と虚構の狭間で事件は次第にエスカレートし、やがてひとつの真実にたどり着く。
オーディションで300人以上の中から選ばれた両羽ももかさんが主演を務め、物語の鍵を握る作家の漣聖司役で『明ける夜に』の五十嵐諒さんが共演。大学の卒業制作『FRONTIER』で京都国際映画祭の実行委員賞を受賞した服部正和監督が構想に5年をかけ、現実と空想の往来を独自の解釈と世界観で描きだす。大須インディペンデント・フィルム・フェスティバル2024にて観客賞とGACHINKO Film賞を受賞。

 

©CIELOSFILM/Cinemago

 

終点なき映画たち Route:1」は、8月2日(土)より大阪・十三のシアターセブンで3作品日替わり公開。

実話をベースにした作品でなければ、劇映画とは、あくまで虚構を描いたフィクションである。では、そんな虚構の世界における現実の中で、さらに虚構が描かれていたとしたら…それは、おもしろい作品になりますね。この上映企画では、そういった思わず現実を逸脱したくなる魅惑的な嘘が秘められた作品がラインナップされている。どの作品においても、ストーリーが進んでいく中で、ひょっとして、これは…と思わずにはいられない。『Sappy』と『女』に関しては、ひょっとして、これは…と思いながら、もしかしたら、別の真相が秘められている可能性もあるかもしれない、と読み解きながら楽しむことが出来る。『フィクティシャス・ポイント』に関しては、架空犯罪調査局と呼ばれる組織が舞台となっており、もはや何が現実で何が虚構であるか、混乱の極みにまで至っている。今回の3作品は、監督が脚本と編集も担っており、どのようにプロットを構築した上で制作しているのか興味津々になってしまう。作っている側も演じている側も混乱することはないだろうか。でも、尚更に創作していて、おもしろいんだろうな。その楽しみも終わりがないとも云えようか。是非ともこの3作品を全て鑑賞することをお薦めしたい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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