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時代に翻弄されながらも劇場を守り続け、娯楽を届けた人々の長い道のりを描く『BAUS 映画から船出した映画館』がいよいよ劇場公開!

2025年3月18日

©本田プロモーション BAUS/boid

 

1925年に吉祥寺に初めて誕生した映画館と、時代の流れの中で娯楽を守り続けた人々を描く『BAUS 映画から船出した映画館』が3月21日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『BAUS 映画から船出した映画館』は、2014年に惜しまれながらも閉館した映画館である吉祥寺バウスシアターをめぐる歴史と家族の物語を描いたドラマ。1925年に吉祥寺に初めて誕生した映画館である井の頭会館が、ムサシノ映画劇場、バウスシアターへと形を変えながら、多くの人々に愛される文化の交差点になっていく長い道のりを描く。1927年、活動写真に魅了されて青森から上京した兄弟ハジメとサネオは、吉祥寺初の映画館である井の頭会館で働きはじめる。兄ハジメは活弁士、弟サネオは社長として劇場のさらなる発展を目指すが、戦争の足音がすぐそこまで迫っていた。

 

 

本作では、染谷将太さんがサネオ役で主演を務め、兄ハジメをロックバンド「銀杏BOYZ」の峯田和伸さん、サネオの妻となる女性ハマを夏帆さんが演じた。バウスシアター元館主である本田拓夫さんの著書「吉祥寺に育てられた映画館 イノカン・MEG・バウス 吉祥寺っ子映画館三代記」を原作に、2022年に逝去した青山真治監督があたためていた脚本を、青山監督の教え子でもある『はだかのゆめ』の甫木元空監督が引き継いで執筆し、メガホンをとって完成させた。大友良英さんが音楽を担当している。

 

©本田プロモーション BAUS/boid

 

映画『BAUS 映画から船出した映画館』は、3月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

吉祥寺の映画館と聞くと、爆音映画祭の吉祥寺バウスシアターが思い浮かぶ。本作は、この吉祥寺バウスシアターの起源である井の頭会館からの出来事を映し出していく。作中では、忽然とある劇場として描かれているが、実際は、井の頭公園通り(現在の吉祥寺通り)に存在していたもの。活弁士が活躍していた時代からトーキーへと移行していく時代も映し出していく。実際、当時の活弁士が携えるスキルの差がどれほどのものだったか分からないが、それは明らかだったのだろう。しかし、それ故に味がある活弁士もいたのだろう。とはいえ、トーキーの登場によって活弁士は何処に散ったのだろう。劇場内でその後も働き続けたのか、或いは、赤紙が届いた方もいたのだろうか。文化が統制された時代の煽りを受けながらも、今も劇場が続いているところがあるならば、どれだけ誇らしいことであるか、にも気づかされる。その後にムサシノ映画劇場(通称:吉祥寺ムサシノ、M.E.G.)が開館され、吉祥寺バウスシアターとして再開館しながら、受け継がれていく。関西に住んでいても、爆音映画祭の吉祥寺バウスシアターに関する情報は届いていたので、一度は訪れてみたかった。なお、かつて存在していた映画館の情報は「消えた映画館の記憶」といったところにアーカイブされているので、地元の映画館が変遷されてきた歴史に思いを馳せてみてはいかがだろうか。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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