極道一家の孫娘という身分を隠して生きる高校1年生と、彼女を“番犬”のように守る若頭のラブストーリー『お嬢と番犬くん』がいよいよ劇場公開!

©2025「お嬢と番犬くん」製作委員会
極道の孫ということを隠して高校に進学した少女と、ボディーガードとして年齢を偽って裏口入学した若頭の学生生活を描く『お嬢と番犬くん』が3月14日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『お嬢と番犬くん』…
幼くして両親を亡くし、瀬名垣組組長である祖父のもとで育てられた瀬名垣一咲。極道一家の孫という立場から友だちができなかったことがトラウマになっている彼女は、高校ではその素性を隠して普通の恋と青春を送ることを決意する。しかし一咲の世話役を務める瀬名垣組の若頭である宇藤啓弥は、過保護すぎるがゆえに年齢詐称して同じ高校に裏口入学し、一咲の“番犬”としてボディガードをすると宣言。一咲はそんな彼に戸惑いながらも、憧れの高校生活を守りぬこうと奔走するが…
本作は、講談社「別冊フレンド」にて2018年より連載され、2023年にはテレビアニメ化もされた、はつはるさんによる人気コミックを、『今夜、世界からこの恋が消えても』の福本莉子さんと男性アイドルグループ「SixTONES」のジェシーさんの共演で実写映画化した。瀬名垣組の兄弟分である田貫組組長の孫で、一咲や啓弥と同じ高校に転入してくる田貫幹男役に、実写版『【推しの子】』の櫻井海音さんが出演。『恋は光』の小林啓一さんが監督を務め、『ハケンアニメ!』の政池洋佑さんが脚本を担当している。
©2025「お嬢と番犬くん」製作委員会
映画『お嬢と番犬くん』は、3月14日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

2013年公開の『ももいろそらを』から小林啓一監督作品を追いかけてきた者としては、徐々に作品の規模が大きくなり、原作モノに携わりながら、ついにここまでの規模の作品を手掛けるようになったことが感慨深くなってしまう。されど、小林監督作品に込められている、どこか憎めず愛おしみのあるキャラクターによる、おかしみのある描写を繊細な映像表現で構築していく手法に変わりはない。本作においても、極道の孫であることを隠そうとも隠し切れない主人公と年齢を偽って裏口入学した若頭という複雑な関係性をおもしろおかしく描きながらも、イノセントな思いが込められている感情表現を丁寧に描いている。最終的には、お互いの思いを真っ直ぐに描いており、監督作品の真骨頂であることもブレていない。大きな規模の作品になっても、小林監督作品に込められた核となる要素は変わっておらず、安心して観続けられる作品である。今後もどのようなテイストの作品を手掛けていくのか、今から楽しんで仕方がない。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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