自分の居場所を捨てて旅立つ1匹の猫が仲間と困難を乗り越え、少しずつ友情を育む『Flow』がいよいよ劇場公開!

©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.
大洪水で居場所を捨て、旅に出ることを決意した猫が、ボートに乗り合わせた動物たちと危機を乗り越え、徐々に友情が芽生える様を描く『Flow』が3月14日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『Flow』は、洪水に呑まれゆく世界を舞台に、1匹の猫の旅路を描いたラトビア発のアニメーション映画。世界が大洪水に見舞われ街が消えていくなか、1匹の猫が旅立つことを決意する。流れてきたボートに乗り込んだ猫は、一緒に乗りあわせた動物たちとともに、想像を超える出来事や危機に襲われる。時に運命に抗い、時には流され漂ううちに、動物たちの間には少しずつ友情が芽生えはじめる。
本作は、監督・製作・編集・音楽を1人で手がけた長編デビュー作『Away』で世界的に注目されたラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督が、5年の年月をかけて多くのスタッフとともに完成させた長編第2作。2024年アヌシー国際アニメーション映画祭にて審査員賞・観客賞を含む4部門を受賞し、2025年の第82回ゴールデングローブ賞ではラトビア映画史上初の受賞となるアニメーション映画賞を、第52回アニー賞では長編インディペンデント作品賞、脚本賞を受賞。第97回アカデミー賞でも長編アニメーション賞と国際長編映画賞の2部門にノミネートされ、長編アニメーション賞を受賞した。
©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.
映画『Flow』は、3月14日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。

1人で監督・製作・編集・音楽等を担当し、3年半の歳月をかけて完成させた、ギンツ・ジルバロディス監督による前作『Away』。全編にわたりセリフは一切なく、絶望から不安、孤独、そして希望をめぐる哲学的なメタファーに満ちた冒険の旅を、美しい映像で綴っていくロードムービーで、底知れぬ感動があった。その次作となる本作は、5年の年月をかけて50人規模のスタッフと共に完成させており、どれ程に手間暇を惜しまず制作されてきたのか、驚かされるばかり。舞台は、かつては人間が生活を営んでいたであろう世界。気づけば動植物しか生き物はおらず、みるみると水位が上昇している。そんな環境下、主人公の猫は水が苦手な中で、元々暮らしていた場所から離れなければならず、如何にして危機に立ち向かっていくのか。その際に必要になっていくのは船。どこに行くのか分からない中で流れに合わせて漂う中で、カピバラや天敵の犬とも共に過ごしていく。この船に乗った猫らは最終的に何処に辿り着くのか。そして、この物語は何を意図しているのか、それは観客それぞれによって受けとめ方が違いそうだ。各々のクリエイターにとっても違ってくるだろうか。それだけ示唆に富んだ作品であり、大きなスクリーンで観る価値がある作品だ。最後まで観終えると、第97回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞したことも納得できる見応えある作品である。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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