1972年9月5日にミュンヘン五輪で発生した人質テロをテーマにした社会派サスペンス『セプテンバー5』がいよいよ劇場公開!
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©2024 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
武装組織が選手団を人質にした事件を、世界が注目する中で生中継することになったスポーツ番組のTVクルーの視点で描く『セプテンバー5』が2月14日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『セプテンバー5』は、1972年のミュンヘンオリンピックで起きたパレスチナ武装組織によるイスラエル選手団の人質テロ事件の顛末を、事件を生中継したテレビクルーたちの視点から映画化したサスペンスドラマ。1972年9月5日、ミュンヘンオリンピックの選手村で、パレスチナ武装組織「黒い九月」がイスラエル選手団を人質に立てこもる事件が発生した。そのテレビ中継を担ったのは、ニュース番組とは無縁であるスポーツ番組の放送クルーたちだった。エスカレートするテロリストの要求、錯綜する情報、機能しない現地警察。全世界が固唾を飲んで事件の行方を見守るなか、テロリストが定めた交渉期限は刻一刻と近づき、中継チームは極限状況で選択を迫られる。
本作は、『HELL』のティム・フェールバウムが監督・脚本を手がけ、報道の自由、事件当事者の人権、報道がもたらす結果の責任など現代社会にも通じる問題提起を盛り込みながら緊迫感たっぷりに描く。『ニュースの天才』のピーター・サースガード、『パスト ライブス 再会』のジョン・マガロ、『ありふれた教室』のレオニー・ベネシュが出演。第82回ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)や第97回アカデミー賞の脚本賞にノミネートされた。
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映画『セプテンバー5』は、2月14日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。
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所謂ミュンヘンオリンピック事件を描いた本作。本作においては、生中継することになったスポーツ番組のTVクルーの視点を以て描いていく。普段は、スポーツ中継をしている者達にとっては想定外の事態。だからといって、TVクルーにとっては目の前で起きていることに対し無視してオリンピックの祭典だけを中継するわけにはいかない。状況によっては人道的に報道しなければならない状態を迎えることがあるわけだ。しかも、テロ事件が起きている現場の様子をそのまま本作で表現するのではなく、あくまでTVクルーの現場だからこその視点で描いていく。すなわち、劇場型犯罪を伝えるべく観る者の感情を煽るような表現をせず、当時のTVクルーが遭遇した状況を虎視眈々と描いていくわけだ。あくまで現実の仕事とはこういったことだ、と観る者に投げかけているようにも感じた。同時に、テロ事件について中継報道することは大事であるが、場合によっては手の内を明かすことにもなりかねないわけで、慎重に報道しなければならない。これは、現代の報道にも通じることであり、今あえて映画化する意義も十分にあるわけだ。この事件がどのような顛末に至ったか知る方も多いだろう。されど、報道が最後までどのような仕事をしていたか、しっかりと見届けてほしい。
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- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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