亡くなった父の借金を返済し、難病を患う母の介護をしながら昼夜働く青年と周囲の人々のささやかな日常が思いもよらぬ暴力によって奪われる『若き見知らぬ者たち』がいよいよ劇場公開！

2024年10月7日

亡き父の借金を抱え、母の介護をしながら昼夜問わず働く青年が、疲弊する生活の中で、家族の問題と自分の人生の間で苦悩しつつ、幸せを掴もうともがく『若き見知らぬ者たち』が１０月１１日（金）より全国の劇場で公開される。

亡くなった父の借金を返済し、難病を患う母の介護をしながら、昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働く風間彩人。父の背を追って始めた総合格闘技の選手となった弟の壮平も、借金返済と介護を担いながら、練習に明け暮れる日々を送っている。そんな息の詰まるような日常のなかでも、恋人である日向との小さな幸せを掴みたいという思いが、彩人のかすかな希望だった。しかし、彩人の親友である大和の結婚を祝う幸せな宴会が開かれた夜、思いもよらない暴力によって、彼らのささやかな日常がもろくも奪われてしまう。

本作は、『佐々木、イン、マイマイン』が評判を集めた内山拓也監督が日本、フランス、韓国、香港合作で手がけた商業長編デビュー作。彩人役を磯村勇斗さん、日向役を岸井ゆきのさん、壮平役を福山翔大さん、大和役を染谷将太さんがそれぞれ演じるほか、霧島れいかさん、滝藤賢一さん、豊原功補さんらが脇を固める。

映画『若き見知らぬ者たち』は、１０月１１日（金）より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のＴ・ジョイ梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のＭＯＶＩＸ京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。

昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働きながら、亡くなった父の借金を返済し、周囲に理解してもらえない難病を患う母の介護をしており、もはや日々の生活を営むことさえ限界にまで達している主人公の彩人。その弟も母の介護をしながらも、自身が打ち込む総合格闘技のタイトルマッチにかけ家を出て行ってしまう。そんな主人公を可能な限り支えているのは、看護師である恋人だが、どうしても精神的にまいってしまっているところまで来ていた。どうにか日々を生きていくしかない状況下、ささやかな喜ばしい出来事を予定していたにも関わらず、さらに不幸な事件が…と本作を観ていて辛くなるしかなかった。本作は、内山拓也監督の友人が経験した或る事件が基になっているとのこと。マーティン・スコセッシ監督の言葉のごとく、その友人に届けるように制作することで、最も個人的なことが最もクリエイティブで、最もドメスティックなことが最もグローバルなこととなるように本作が届けられていることが喜ばしい。内山監督といえば、２０２０年の『佐々木、イン、マイマイン』が印象深いが、描かれた佐々木の人物像と本作の彩人は、将来に希望も持てない閉塞感の中で生きていることが共通している。作風は違っているが、共通点があることに気づかされ、興味深い。本作では一層にドラスティックに描いており、いたたまれなくなってしまう。だが、”若き見知らぬ者たち”がこの国には生きていることを伝え、社会に訴求できる作品であることを願いたい。

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