89歳の退役軍人がノルマンディ上陸作戦70年記念式典に参加するために老人ホームを抜け出した実話をもとに描く『2度目のはなればなれ』がいよいよ劇場公開!
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実話を基に、老人ホームで人生最期の日々を過ごしていたが、ある式典のためにホームを抜け出した退役軍人の男性と、彼が戻って来ると信じる妻を描く『2度目のはなればなれ』が10月11日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『2度目のはなればなれ』は、89歳の退役軍人がノルマンディー上陸作戦70年記念式典に参加するため老人ホームを抜け出した実話を基に描いたヒューマンドラマ。2014年、夏。イギリス、ブライトンの老人ホームで暮らす老夫婦バーナード(バーニー)とレネは、互いに寄り添いながら人生最期の日々を過ごしていた。ある日、バーナードはフランスのノルマンディーへ向かってひとり旅立つが、彼が行方不明だという警察のSNS投稿をきっかけに、世界中で大きなニュースとなってしまう。バーナードとレネが離ればなれになるのは、今回が人生で2度目だった。決して離れないと誓っていたバーナードがレネを置いて旅に出たのには、ある理由があった。
本作では、それぞれ2度のオスカー受賞経験を持つイギリスの名優マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンが、『愛と哀しみのエリザベス』以来50年ぶりに共演。監督は『シンクロ・ダンディーズ!』『理想の結婚』のオリバー・パーカー。本国イギリスでは2023年10月に公開されたが、グレンダ・ジャクソンは2023年6月に他界し、これが長編映画の遺作となった。
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映画『2度目のはなればなれ』は、10月11日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、兵庫・神戸のOSシネマズミント神戸等で公開。
老夫婦と呼ばれるようになっても仲睦まじく共に老人ホームで過ごす2人。男性がノルマンディー上陸作戦を経験した89歳の退役軍人であるならば、いくつもの死に際を目の当たりにしてきたことだろう。妻にも言えない秘めた思いがあったとしてもおかしくない。そんな夫の姿を隣で見ていたら、1人で向かおうとする姿には背中を押したい気持ちがあるんだろうな。多数の戦死者を出しながらもドイツ軍を撃破し、第二次大戦の分岐点となった ノルマンディー上陸作戦の作戦開始日、いわゆるDデイがどれだけ重要であり親しみがある日であるか、本作を観ていれば自然と伝わってきた。だが、本作の主人公、バーナードは、記念日の式典に参加することが本来の目的ではない。緊迫した状況下においてこそかけがえのない出会いや約束があり、それはどれだけ年数がたったとしても果たさなければならないものであるのだ。約束を果たすまでのプロセスにおいても様々な出会いがある。それらは当時の出来事と重なるような一面もあった。だからこそ、当時は実現できなかったことが幾数十年を経て具体化することもできる。そんな年季の入ったキャラクターをマイケル・ケインが演じていることは尊いものだ。彼の俳優人生最後の作品と云われており、まさに有終の美を飾る作品となった。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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