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異世界へと転移してしまった主人公を描くダークファンタジー『劇場版「オーバーロード」聖王国編』がいよいよ劇場公開!

2024年9月17日

©丸山くがね・KADOKAWA 刊/劇場版「オーバーロード」聖王国編製作委員会

 

長い城壁に囲まれて平和を享受していた小国が、他国からの侵略で危機に瀕したことをきっかけに、忌み嫌っていた不死の者が統治する国へ助けを求める『劇場版「オーバーロード」聖王国編』が9月20日(金)より全国の劇場で公開される。

 

劇場版「オーバーロード」聖王国編』…

聖王女カルカを元首とするローブル聖王国は長大な城壁にその国土を守られてきたが、魔皇ヤルダバオトと亜人連合軍の突然の侵攻により、平和な時代は終わりを迎えた。聖騎士団長レメディオスと神官団長ケラルトの姉妹を中心に戦力を結集して迎え撃つ聖王国だったが、ヤルダバオトとの圧倒的な戦力差になすすべもなく、国家は崩壊の危機に瀕してしまう。レメディオスはヤルダバオトに対抗しうる力を求め、聖騎士団と従者ネイアを伴ってアインズ・ウール・ゴウン魔導国へ向かう。そこは聖王国の人々が忌み嫌う、アンデッドが統べる異形の国家だった。

 

本作は、丸山くがねさんの人気ライトノベルを原作とするテレビアニメ「オーバーロード」シリーズの劇場版で、原作でも人気の高い「聖王国編」のエピソードをアニメ化。テレビアニメに続いて伊藤尚往さんが監督を務め、マッドハウスがアニメーション制作を担当している。

 

©丸山くがね・KADOKAWA 刊/劇場版「オーバーロード」聖王国編製作委員会

 

劇場版「オーバーロード」聖王国編』は、9月20日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田T・ジョイ梅田、心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、兵庫・神戸のOSシネマズ神戸ハーバーランド109シネマズHAT神戸等で公開。

“オバロ”がやってくれた!

 

『オーバーロード』シリーズはTVアニメシリーズの総集編映画こそ過去には公開されていましたが、ついにシリーズ初の新作映画が登場です。物語の舞台がVRのゲーム世界であることや、主人公のアインズがそのゲームのヘビーユーザーであったため作中の世界では圧倒的に強いといった、割と知っておいた方が良い設定の説明はかなり省略。135分の本編のほとんどを原作やTVアニメシリーズをすでに知っているファンに向けたサービスに全振りするような形態の劇場版となりました。

 

今回映像化される“聖王国編”は原作でも曰く付きのエピソードです。と言うのも、とあるキャラクターに対する扱いがあまりにも残虐卑劣であり、地上波放送では映像化が困難ではないかと言われるほどの描写が登場していました。今回の劇場版ではそういった描写から逃げることなく再現にも果敢に臨んでおり、悪趣味になりきらない程度に原作読者の「映像化されるのか」という期待に応えてくれています。輪をかけてびっくりするのは本作がそんな過激な表現に臨んでいるのに、映倫の審査ではPG-12指定でおさえられていたこと。戦闘場面での刃物による流血描写がみられるという理由でこの区分になっているようですが、初めてこの展開を知る人にはかなりトラウマになりかねない事態が起こっているだろ、ともっと上の区分ではないことにツッコミたくなります。そこがまさに“悪趣味になりきらない程度”にさり気なく挿入したからこその結果なのでしょう。

 

そんなダークファンタジーだからこそ、国同士の規模で起こる戦争で必要となる倫理観や市民一人の命の軽さ、そしてこの映画における争いの狙いのまさかの種明かしは、よくよく考えるとかなり異質であり衝撃的。『オーバーロード』自体は昨今の流行である「異世界転生モノ」であったり「主人公無双モノ」に分類されるのですが、そのどれもが普通は描かないような結末に行き着いており、それをやれてしまうのが“オバロ”ならでは。

 

この物語は悲劇か喜劇か。戦争や市民の在り方、はたまた群衆の動かし方などなど──さまざまな観点で反芻できる映画に仕上がっています。

fromネジムラ89

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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