認知症を患う父と再会し、父と再婚相手の生活を調べていく『大いなる不在』がいよいよ劇場公開!
©2023 CREATPS
父の逮捕の報せを受けた男性が、認知症を患う父と再会する『大いなる不在』が7月12日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『大いなる不在』…
幼い頃に自分と母を捨てた父が事件を起こして警察に捕まった。知らせを受けて久しぶりに父である陽二のもとを訪ねることになった卓(たかし)は、認知症で別人のように変わり果てた父と再会する。さらに、卓にとっては義母になる、父の再婚相手である直美が行方をくらましていた。一体、彼らに何があったのか。卓は、父と義母の生活を調べ始める。父の家に残されていた大量の手紙やメモ、そして父を知る人たちから聞く話を通して、卓は次第に父の人生をたどっていくことになるが…
本作は、長編デビュー作『コンプリシティ 優しい共犯』がトロント、ベルリン、釜山などの国際映画祭に招待され高い評価を得た近浦啓監督の第2作。森山未來さんが主演を務め、藤竜也さんと親子役で初共演を果たしたヒューマンサスペンス。主人公の卓を森山未來さんが演じ、父の陽二役は『コンプリシティ 優しい共犯』でも近浦監督とタッグを組んだ藤竜也さんが務めた。卓の理解者となる妻の夕希役は真木よう子さん、行方知れずの義母である直美役は原日出子さん。第71回サン・セバスチャン国際映画祭のコンペティション部門で藤竜也さんがシルバー・シェル賞(最優秀俳優賞)を受賞し、第67回サンフランシスコ国際映画祭では最高賞のグローバル・ビジョンアワードを受賞した。
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映画『大いなる不在』は、7月12日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。
劣悪な職場環境から逃げ出してきた技能実習生である中国人青年を優しく見守った役を藤竜也さんが演じた『コンプリシティ 優しい共犯』を制作した近浦啓監督の第2作。本作では、藤竜也さん演じる父親が認知症を患ったことで家族にどのようなことをもたらしたか、を描いていく。森山未來さん演じる主人公が、縁遠くなった父親に再会し、不可解な言動に疑問を持っていたら、認知症の果てに父親は事件を起こし、施設のお世話になることに。父親と長年会っていなかった間、父親の再婚相手とどのようなことが起こっていたのだろうか。最初は仲睦まじく過ごしていたはずだ。だが、認知症の進行によって、多少なりとも負荷をかけてしまったことに違いない。だが、違和感なく振舞っていそうな状況もあったようだ。不可解な事態にいつ遭遇するか分からない。だが、息子である主人公は、彼なりに理解しようとし真摯に対応していく。そして、再婚相手である義理の母親は最終的にどうなってしまったのか、観る者にさえ判断を委ねることに。資料から、近浦監督の実体験を参考にしていると知り、どのように映画化していったのか、じっくりとインタビューしてみたいものである。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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