終電を逃した清掃員の帰路を描く『ゴースト・トロピック』がいよいよ関西の劇場でも公開!
©Quetzalcoatl, 10.80 films, Minds Meet production
様々な文化と価値観が交差する都市ブリュッセルを舞台に、最終電車で寝過ごし終点まで行ってしまった清掃員が、自宅まで歩く道中で出会う人々を描く『ゴースト・トロピック』が2月9日(金)より関西の劇場で公開される。
映画『ゴースト・トロピック』は、ブリュッセルの町を舞台に、最終電車で乗り越してしまった主人公が真夜中の町をさまよい、その中での思いがけない出会いがもたらす、心のぬくもりを描く。清掃作業員のハディージャは、長い一日の仕事終わりに最終電車で眠りに落ちてしまう。終点で目を覚ました彼女は、家に帰る手段を探すが、もはや徒歩で帰るしか方法はないことを知る。寒風吹きすさぶ町をさまよい始めた彼女だったが、その道中では予期せぬ人々との出会いもあり、小さな旅路はやがて遠回りをはじめる。
本作は、美しく繊細な映像で物語を紡ぎ、カンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭でも注目を集めるベルギーの映画作家バス・ドゥボスの長編第3作。全編を通して舞台となる夜の街の風景を、粒子の荒い16ミリカメラで撮影することで、暗闇の中に柔らかさと温かみをもたらしている。2019年の第72回カンヌ国際映画祭の監督週間出品作品。
©Quetzalcoatl, 10.80 films, Minds Meet production
映画『ゴースト・トロピック』は、関西では、2月9日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、3月8日(金)より京都・烏丸の京都シネマで公開。また、神戸・元町の元町映画館でも近日公開予定。
帰路の電車で寝過ごしてしまい、普通なら戻ってこれないようなところまで行ってしまったことはありませんか?一度だけ経験したことを思い出した。その時は、スマートフォンで地図を確認しながらも、微妙に異なる道を選んでしまい、途方に暮れながらも、どうにか自宅に帰ることが出来たようだ。本作の主人公のように様々な人々に出会うことはなかったけど、現実はもっとおもしろいことになっていたか?ゾッとするような思いをすることになっていたか?いざ知らず。今作の場合、主人公のハディージャは真面目で優しい人。真面目に自身の仕事に励んだ帰りの電車で寝過ごしてしまい、終点に至ってしまっただけだ。まずは、何をするにしてもお金が必要で、ショッピングセンター内にあるATMでお金を下ろそうとしたら…街の変化を知ることに。今にも死にそうな路上生活者を見つけたら救急車で運んでもらう。未成年の若者にお酒を売る者を発見したら警察官に連絡していく。真面目な一人の女性をカメラは追いかけていくが、その実直な行為がどのような結果をもたらしていくか。彼女自身には関係のないことかもしれない。だが、彼女が行った行為が何かしらの波紋を広げたのは確かなはずだ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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