殺人犯の座を奪い合う3人の女による駆け引きと悪だくみを描く『私がやりました』がいよいよ劇場公開!
©2023 MANDARIN & COMPAGNIE – FOZ – GAUMONT – FRANCE 2 CINEMA – SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION
有名映画プロデューサーの死をめぐり、3人の女性達の悪だくみと駆け引きが交錯する様をブラックユーモアを交えて描く『私がやりました』が11月3日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『私がやりました』は、映画プロデューサー殺人事件の“犯人の座”をめぐって3人の女達が繰り広げる騒動をユーモアたっぷりに描いたクライムミステリー。パリの大豪邸で有名映画プロデューサーが殺害され、新人女優マドレーヌが容疑者として連行された。マドレーヌはプロデューサーに襲われて自分の身を守るために撃ったと供述し、親友である弁護士ポーリーヌとともに法廷に立つ。正当防衛を訴える鮮やかな弁論と感動的なスピーチは裁判官や大衆の心をつかみ、マドレーヌは無罪を勝ち取ったのみならず、悲劇のヒロインとしてスターの座を手に入れる。そんな彼女たちの前にかつての大女優オデットが現れ、プロデューサー殺しの真犯人は自分だと主張する。
本作では、『8人の女たち』のフランソワ・オゾン監督が手掛け、『悪なき殺人』のナディア・テレスキウィッツがマドレーヌ、『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』のレベッカ・マルデールがポーリーヌ、『エル ELLE』のイザベル・ユペールがオデットを演じた。
©2023 MANDARIN & COMPAGNIE – FOZ – GAUMONT – FRANCE 2 CINEMA – SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION
映画『私がやりました』は、11月3日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSや神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
これぞフランス映画のエスプリだ!と唸ってしまう、知性とセンスのあふれるコメディの傑作だ。軽快な会話劇、粋な演出とスピード感のある展開が心地よく、リズミカルな展開にずっとクスクスと笑いながら観ていた。(これは一応殺人事件のお話なのに)
美しく逞しい二人の主人公のほか、登場人物は皆魅力的だ。特に、ディズニー映画におけるヴィランのような出で立ちのイザベル・ユペールは、登場シーンの勢いからその場の空気を全て持っていく、さすがの貫禄である。また、20年前にオゾン監督が手掛けた『8人の女たち』に出演していた名女優ダニエル・ダリューへのリスペクトも見どころだ。彼女は2017年に100歳で亡くなっているが、本作の舞台である1935年には10代の俳優として銀幕で活躍していた。そのありし日の姿を劇中のある場所で垣間見ることできる、なんとも映画的な名場面が素晴らしい。
時には難解な作品も生み出すオゾン監督だが、本作はとても観やすく分かりやすいストーリーで、それでいてどの場面も画的にバキバキにキマっていて、本当に見ていることが楽しい。かつ映画ファンにも満足のいく丁寧な作りで、一瞬ドキっとさせるエピローグまで完璧である。きっと満足感のあるお勧めの作品だと断言したい。
最後に、原題はシンプルに「Crime(犯罪)」だったところを『私がやりました』というピッタリの邦題に命名した配給のファインプレーも讃えたい。
fromNZ2.0@エヌゼット
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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