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逃げる人の話であり、逃げられる人の話でもある…『そして僕は途方に暮れる』藤ヶ谷太輔さんと三浦大輔監督を迎え舞台挨拶開催!

2023年1月6日

人間関係から逃げ続ける青年が、自分と同じようにしがらみから逃げた父親との再会をきっかけに変化していく姿を描く『そして僕は途方に暮れる』が1月13日(金)より全国の劇場で公開される。1月6日(金)には、大阪・難波のTOHOシネマズなんばで大阪先行上映会が開催され、藤ヶ谷太輔さんと三浦大輔監督を迎え舞台挨拶が開催された。

 

映画『そして僕は途方に暮れる』は、三浦大輔さんの作・演出、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔さん主演で2018年春にシアターコクーンで上演された舞台「そして僕は途方に暮れる」を、舞台に続き三浦さんと藤ヶ谷さんのタッグで映画化。自堕落な生活を送るフリーターの菅原裕一には、長年同棲している鈴木里美という恋人がいるが、あることをきっかけに彼女を裏切ってしまい、里美と話し合うこともなく家を飛び出してしまう。親友の今井伸二、バイト先の先輩である田村修、学生時代の後輩である加藤、姉の香、母の智子のもとを渡り歩く裕一は、バツが悪くなるとその場を離れ、あらゆる人間関係から逃げ続けていく。そんな中、裕一が出会ったのは、偶然に家族から逃げていった父の浩二だった。父との出会いにより、裕一の中で何かが少しずつ変わり始めていくが…

 

今回、上映前に藤ヶ谷太輔さんと三浦大輔監督が登壇。大阪は慣れ親しんだ場所であり和やかな雰囲気の中で舞台挨拶が繰り広げれられた。

 

Kis-My-Ft2のLIVEでもよく来阪している藤ヶ谷さんは、大阪に対して「熱量を以て応援して下さるイメージが凄くありますね」と好印象。三浦監督は、本作の原作である舞台の大阪公演を森ノ宮で上演しており「東京のお客さんと反応するところが違っており、大阪の皆さんがあたたかかった。素直に反応してくれる」と思い出に残っている。藤ヶ谷さんも「大阪の方が一番素直に反応して下さいますね、LIVEでも」と共感。なお、去年はLIVEでメンバーと共に来阪しており「ケータリング、様々なお店のたこ焼きを用意して下さった。たこ焼きの食べ比べが出来たんですよ。幸せでした」と食で満たされた。三浦監督は、昨年は別の舞台作品「裏切りの街」の公演以来となる。

 

「A-Studio+」で笑福亭鶴瓶さんと共演している藤ヶ谷さんは、美味しそうなごはん屋さんを紹介してもらっているが、なかなかタイミングが合わず行けずじまいだが「紹介して下さった洋食屋さんに行きたい。今年はゆっくり過ごしたいで」と願っている。三浦監督は、NGKに行ってみたく「かなり昔に一度行った。それ以来、なかなか行くタイミングが無くて。もう一回観てみたい。お笑い好きなので」と次の機会をうかがっていた。Kis-My-Ft2メンバーの横尾渉さんと藤ヶ谷さんは、自由軒へカレーを食べに行ったことがあり「美味しかったです。街で食事するようなゆっくりする時間がそんなにないので、嬉しかったです。貴重な体験になりました。もっとゆっくりしたいですね」と思い出に残っている。三浦さんは、本作の舞台での大阪公演では藤ヶ谷さんと食事に行っており「コロナ禍前だった。とても良い大阪公演だったな」と印象的だ。今回、来阪キャンペーンを行っており、藤ヶ谷さんは「楽しいですね。撮影がだいぶ前だったので、改めて、これから皆さんに観て頂けるんだな」と楽しみにしている。三浦監督も「公開が迫っているから、お互いに緊張感がありますね」とワクワクしていた。なお、この二人の会話について、三浦監督は「今やっているドラマとか。近況報告していますね」と話し、慣れ親しんだ間柄が伝わってくる。

 

今作では、主人公の菅原裕一が東京から北海道の苫小牧まで逃げ続けていくが、もしも大阪に逃げてきたら、と考えてみると、藤ヶ谷さんは「鶴瓶さんの実家ですかね。凄い広そうじゃないですか」と挙げながらも「口軽いから、言っちゃいそうですね」と心配ぎみ。三浦監督は、鶴橋を挙げ「裕一が住んでいる東中野が、大阪では鶴橋」だと説く。また本作のポスターに映っている新宿は難波だと指摘。また、裕一が逃げていく中でスマホの電源を切るが、二人とも大丈夫のようで、三浦監督は「2日…3日はいけるかな。3日だと、風邪で体調悪くて…と言えるかな。3日で怖くなりますね」と告白。藤ヶ谷さんは「個人的には1週間でも1ヶ月でも。でも、御迷惑をおかけする。友人や家族は僕の家を知っているので、必要だったら家に来てくれる。そんなに依存していないので。今日からやってみようかな」とチャレンジを試みようとするが、マネージャーさんの様子を伺い、実行には至らず。

 

本作について、藤ヶ谷さんは「逃げ様は注目して頂きたいポイント」と挙げ、三浦監督も「主人公が逃げるの分かっているので、どう逃げるんだ、ですね」と注目ポイントを挙げる。さらに、藤ヶ谷さんは「それぞれの逃げ方も違うので。あとは、逃げられちゃった側はどういう気持ちなのかな」と述べ、三浦監督は「逃げる人の話であって、逃げられる人の話でもある。逃げられたほうはたまったもんじゃないだろうな」と考察。ここで、藤ヶ谷さんは「監督は電源を切るタイプなので。そこから生まれたんですよね、この作品は」と明かすと、三浦監督は「僕は逃げ癖があるので。そこで人間関係を断ち続けたらどうなるか、という話なので。世界で一人ぼっちになっちゃった、という実感が湧くのかな」と物語の発想への発端を語った。

 

さらに、ここだけの話ということで、藤ヶ谷さんは、雪が降るシーンについて「雪の粒の大きさや風向きを監督は物凄く拘っていた。雪のシーンを撮るためだけに4時間かかった」と明かしていく。三浦監督としては「嘘くさく見えちゃったら嫌なんで」と弁明。また「逃げる時に裕一が振り返った時の顔に注目して観てもらっても。顔の印象の違いを確認してもらっても楽しめる」と添えていく。だが、撮影現場での藤ヶ谷さんは、楽しい思い出が1つもなかったようで「辛かった。監督も『今日こそ早く帰ろうね』と。北海道・苫小牧で撮影したので-2℃で『寒いねぇ。温かいお風呂に入りたいねぇ。今日こそ早く…』という話をしましたけど。今日は早く終わるのかな、と思ったけど、全然終わらないですね」と苦笑いしながら「朝から朝。朝日が出たら終わるかな、と思ったら『こういうの、CGで消せるから』と、朝日が出てもやっていましたね」と思い返す。とはいえ「監督の拘りと我々演者の細かい拘りが様々な箇所に詰まっていますので、一回観ただけじゃ分からないものも沢山あるから、何度も観て頂きたいです。観る心情によっては最後の答えが変わるのかな。パワーのある不思議な映画ですよね。作品として本当におもしろい」とお薦めしている。

 

劇場ロードショーが来週となり、現在の藤ヶ谷さんは「いよいよですね。撮影は2年前でしたけど、これから皆様に観て頂けるとなると、僕らのものからこれからは皆様の作品になるわけですから、長く愛される映画になったら良いな」と願っており「普段、アイドルをやっている藤ヶ谷を聞いたことあるけど、演技しているのを見たことがない方々が沢山いるのを自分でも分かっていますけども、是非そういった方々にも広めて頂きたい。とにかく多くの方に応援して頂ける、長く愛される映画。そして観て下さった皆様の”人生で観た良かった映画ベスト10の中の9位ぐらいに入ったらいいな」と謙虚な姿勢でPR。そこに、三浦監督は「11位とかね」と逆説的に煽り、藤ヶ谷さんも「惜しくもベスト10には入らなかったけども、11位はコレだという…」と応じていく。三浦監督は「もうすぐ公開になりますけども、幅広いお客さんに観てもらいたい。エンターテインメントを意識して作りました。若者から年配の方まで楽しんで頂けるものになっています。東京だけじゃなく、地方の方に観てもらいたくて、普遍的なエンターテインメントなので、東京だけで収まるのは本当にもったいなくて」と渇望。そして「気に入って宣伝して下さったら『そし僕2』があるかもしれない」と期待させるコメントをし、藤ヶ谷さんも「嬉しいですよ。inホノルルとかあったら。世界だったら考えさせて頂きたいですね。ハワイだったらやらせて頂きたいですね」と期待している。本作について様々なことを伝えてきたが、三浦監督としては「肩肘張らずに観て頂いて大丈夫。笑って頂けるところは大いに笑ってほしいな」と伝え、藤ヶ谷さんも「暗い映画じゃないので」と添えていく。試写会の様子について、三浦監督は笑いが起きていたことを伝え、藤ヶ谷さんも「撮影に関わっていないスタッフは笑っていました。関わったスタッフは一切笑っていなかったですね、辛い思い出ばっかりで」思い返していた。

 

最後に、藤ヶ谷さんは本作について「誰しもが”逃げたい””逃げたかった”欲が生きている中で絶対にあったと思うので、逃げ続けた男を是非見届けて頂きたい」と伝えると共に「コロナ禍になり、人との繋がりって何かな、と改めて皆さんも考えたと思います。人との繋がりも映画の大事なメッセージになっていると思いますので、幅広く沢山の方に観て頂きたいです。改めて、長く愛される映画になればいいな」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『そして僕は途方に暮れる』は、1月13日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や七条のT・ジョイ京都、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSや神戸・岩屋の109シネマズHAT神戸等で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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