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人生を諦めた売れない俳優がランダムに電話をかけて人に会う実験に付き合い変化していく『ランダム・コール』が第17回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で世界初上映!

2022年3月15日

人生を諦めた売れない俳優が、ひょんなことから電話帳に登録された人達に電話をかけて会うだけという不思議な実験に付き合い、孤独と絶望を抱えた人達が、人の繋がりと温もりを再発見する『ランダム・コール』が第17回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で世界初上映された。

 

映画『ランダム・コール』…

人生に絶望した売れない俳優リョウに、突然古い友人から電話がかかってくる。その友人は“ランダム・コール”なる社会実験を始めたのだという。それは、電話帳に登録している人たちに電話をかけ、何の目的もなくただ会うというものだった。友人との別れ際の握手に不思議なぬくもりを感じたリョウは、自身もランダム・コールをやってみようと思い立つ。邪険に扱われることもあったが、もはや何も失うものを持たないリョウは、ルール通りに電話をかけ続けた。かつての知人や友人と会うなかで、人とのつながりを取り戻していくリョウ。人とのつながりを通じてかけがえのないものに気づき、リョウは人生を取り戻すのだった。

 

映画『ランダム・コール』は、3月19日(土)10:30よりシネ・リーブル梅田でも上映。

人と会って話すことが趣味だという人に会ったことがある。それは、当たり前のことだと感じて、趣味にする意味が分からなかった。だが、コロナ禍を迎えた今、人に連絡して会うことが如何に貴重なことだったか、偶然の出会いというものは滅多にない、ということを思い知っている。本作のストーリーは、コロナ以前の設定ではあるが、大切な意味を持つ作品を作られたのだな。と感じた。電話帳に登録された人達に電話をかけて会うだけ、という哲学のような社会学のような不思議な実験だ。メールやメッセージアプリによって、緊急時を除けば、特定の相手以外に電話をかける機会は、コロナ以前から減っていた。理由や目的がなければ、電話をかける意味を感じない。ましてや、電話を受けた側としては、怪しい勧誘ではないか、と疑ってしまう。とはいえ、直接会って行うコミュニケーションをする機会が以前と違って減少しているのであれば、滅多にない機会は楽しみたいものだ。何気ない出来事が人生に光を差すことがあるかもしれない。その積み重ねが人生を変化させていくことだってあるはずだ。人生を諦めた人が何気なく入った映画館で観た作品が希望を与えることがあるかもしれないね。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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