カード会社のコールセンターに勤める女性の静かな日常が揺さぶられていく『おひとりさま族』が第17回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映!
クレジットカード会社のコールセンターで働く辣腕オペレーターの静かな日常が揺さぶられていく『おひとりさま族』が第17回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映された。
映画『おひとりさま族』…
カード会社のコールセンターに勤めるジナ(コン・スンヨン)は、どんなクレームにも沈着冷静に対応できる優秀な職員だが、公私ともに孤高の生き方を貫いている。同僚との会話はなく、昼食も一人、帰宅しても一人。外出時はスマートフォンでひたすら動画を見続け、外界を遮断し、己の領域を守ることを怠らない。母の死後、唯一の肉親となった父親とも疎遠だ。ところが研修生スジンの教育係を任された彼女は、指導どころか対話もおぼつかない。さらに、アパートの隣人が人知れず孤独死していたことが分かり、ジナの生活は揺らぎ始める…
本作は、これまでTVドラマを中心に活動してきたコン・スンヨンが主演し、そして本作で長編監督デビューとなるホン・ソンウンが手掛けた。
映画『おひとりさま族』は、3月19日(土)10:15よりABCホールでも上映。
クレジットカード会社のコールセンターで働く辣腕オペレーターである主人公のジナ。どんな問い合わせやクレームがあったとしても、マニュアル通りに冷静沈着にこなしていく。そのためには、公私共々に孤高の生き方を貫いているからだろうか。日本でも業種や職場が違えど、似たような方はいくらでもいるんだろうな、と察する次第。ジナの場合、父親が浮気して家を出ていき再び戻ってきたり、母親が他界したこともあったりと、肉親との疎遠な関係も影響しているかもしれない。韓国の場合、一人で外食しているだけで周囲に不審の目を向けられる程に孤独を許容しない社会があるようだが、近年はあえて孤独を貫く若者世代も増えつつあるようで、この傾向は日本の同じかもしれない。とはいえ、職場や私生活で異分子が一つ交じるだけで、予想していなかった変化が起こってしまう。その変化が吉と出るか凶と出るか。最終的に主人公に良き影響を及ぼすなら、本作は良きヒューマンドラマと云えようか。
- キネ坊主
- 映画ライター
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