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生きづらさを抱えた青年を巡る、愛の問題について描く『世界は僕らに気づかない』が第17回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で世界初上映!

2022年3月12日

オール群馬ロケで、生きづらさを抱えた青年を巡る“愛の問題“について描く『世界は僕らに気づかない』が第17回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で世界初上映された。

 

映画『世界は僕らに気づかない』…

群馬県太田市に住む高校生の純悟は、フィリピンパブに勤めるフィリピン人の母親を持つ。父親のことは母親から何も聞かされておらず、ただ毎月振り込まれる養育費だけが父親との繋がりである。純悟には恋人の優助がいるが、優助からパートナーシップを結ぶことを望まれても、自分の生い立ちが引け目となり、なかなか決断に踏み込めずにいた。そんなある日、母親のレイナが再婚したいと、恋人を家に連れて来る。見知らぬ男と一緒に暮らすことを嫌がる純悟は、実の父親を探すことにするが…

 

本作は、国内外の映画祭で受賞経験のある飯塚花笑監督が自身の体験をもとにしたオリジナル脚本を、映画『東京リベンジャーズ』に出演した堀家一希さんが主演で映画化された。

 

映画『世界は僕らに気づかない』は、3月17日(木)13:30よりABCホールでも上映。なお、2022年夏に劇場公開予定。

近年の大阪アジアン映画祭では、多様性を描いた外国映画が多く公開されてきた。日本映画でも無かったわけではないはずだが、コンペティション部門の作品として実に見応えのある作品が選ばれた。ブラジル人が多く住む群馬県の太田市や大泉町を舞台にし、敢えてフィリピン人と日本人のハーフ、ジャッピーノと呼ばれ、同性愛者である男の子を主人公にしていることが興味深い本作。自身が一度もあった覚えのない日本人の父親を捜していく中で、今まで生きてきた中でどれだけ苦しい思いをしてきたか再認識させられてしまう姿に胸をえぐられてしまう。そんな状況下で、母親からの愛情を感じられず、罵詈雑言を発することしかできないことは、どれほど悲しい出来事だろうか。同時に、傷つけたくない相手との関係まで失いそうになってしまうのだから、生きづらさはどこに潜んでいるのか分からない。故に、自分達の外側にある世界から彼等の苦しみに気づくことは出来ないのだろうか。様々な要素をしっかりと詰め込みながら、未来を生きていくための希望がある物語に仕上げられており、日本社会の片隅にある小さくも大きな出来事を見届けてほしいと願うばかりだ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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