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芦屋市の子供達と大人達のあたたかさや小さな幸せを感じて頂けると嬉しいな…『あしやのきゅうしょく』松田るかさん、伊藤舞芦屋市長、白羽弥仁監督を迎え舞台挨拶開催!

2022年2月5日

学校ごとに専任の栄養士を配属し、オリジナル献立の給食を提供する、芦屋市の取り組みを基に、新人栄養士の奮闘を描く『あしやのきゅうしょく』が2月4日(金)より関西先行公開されている、2月5日(土)には、大阪・梅田のテアトル梅田に、松田るかさん、伊藤舞芦屋市長、白羽弥仁監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『あしやのきゅうしょく』は、自校式給食や栄養士によるオリジナルメニューの展開といった学校給食への取り組みが注目される兵庫県芦屋市を舞台に、新米栄養士の奮闘を描いたヒューマンドラマ。芦屋の小学校に赴任した新人栄養士の野々村菜々は、退任するベテラン栄養士から給食のイロハを引き継ぎ、調理師たちと協力して給食の献立を作っていく。予算や子どものアレルギーなど様々な問題に対処しながら、美味しい給食を食べてもらおうと奮闘する菜々だったが、子どもたちからの反応は芳しくない。ショックを受けながらも、子どもたちに何とか喜んでもらおうと、直接彼らに給食の感想を聞いてみることに。そして菜々は、たとえ子どもの苦手な食材があっても、素材の味を生かし、それぞれに合ったメニューを心がけようと決意する。やがて1年が過ぎ、菜々にとって初めての卒業式がやってくる。
『賭ケグルイ』シリーズの松田るかさんが主演を務め、『ママ、ごはんまだ?』の白羽弥仁監督がメガホンをとった。

 

上映後、白羽弥仁監督、松田るかさん、伊藤舞芦屋市長が登壇。白羽監督は満員御礼状態を見ながら「満場で感無量でございます」と感謝の気持ちと共に御挨拶。芦屋の魅力を伝える舞台挨拶が行われた。

 

父方の祖父は阿倍野にいた白羽監督は、大阪について「子供の頃から通っておりました。最近は大阪で仕事することも多いですし、日常の場所でもあります」と話す。沖縄出身の松田さんは「めちゃくちゃ話しかけてくださる。1人でご飯食べてても普通に話しかけてくるんですよ。凄く嬉しくて温かくて好きだな」と大阪を気に入っている。「朝ドラ『スカーレット』や夜ドラで1年間の多くを大阪で過ごした1年があったので、あちこち行きましたね。撮休で人生で初のユニバに行きました」と振り返り「関西の言葉を使うお仕事だったので、街の人の会話を聞きながら過ごしていました」と懐かしむ。本作で演じた主人公の野々村菜々は芦屋生まれ芦屋育ちの生粋の関西人であり「私の言葉が違うだけで、説得力がなくなっちゃう。言葉が気になって内容が入ってこないことは残念なことなので、どうしても避けたいと想って挑みました」と当時の心境を明かした。

 

本作は、「芦屋の給食: オシャレな街のおいしい献立」というムック本を知った白羽監督が「これを元に映画を作れないかな」と構想。芦屋市制施行80周年記念事業の一つとして「今の芦屋が誇れるものの一つとして、給食があるんじゃないか」と企画した。芦屋市の給食について、伊藤市長は「小さな頃に食べたお味や栄養は、その後の人生に大きく影響するという考え方で、手作りにかなり拘っています。現在、小学校・中学校全ての学校の中で調理をして、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供させて頂いています。そのため、学校の中に調理室を作る必要があり、学校を作り変えました。調理室とランチルームが完備された学校が作っております」と説明。加えて、白羽監督が「映画を作る時に調べたんですが、戦後間もなくから1950年代に、ある栄養士さんが、温かいものは温かいうちに、をモットーに学校給食を始められたことが文献で残っています」とフォローしていく。

 

主演することがきまった松田さんは喜んだが「関西の生まれではないので、言葉が…」と心配。しかし「芦屋市さんがこれだけ給食に力を入れていることを知らなかった。素晴らしい取り組みを多くの方に知ってもらいたいな」という気持ちで前向きに取り組んでいく。白羽監督は、実際に働いている栄養士さんに取材し「20代前半の方がいらっしゃり、皆サバサバしてテキパキして、なおかつ一生懸命。ポジティブのかたまりみたいな人達」だと知った。松田さんは「芦屋は転勤してきた方も多くいらっしゃるので、コテコテ(の関西弁)ではないんですね。どこまでイントネーションつけるか」と検討し、白羽監督と打ち合わせしていく。むしろ、白羽監督としては「秋野暢子さんや赤井英和さんがコテコテの大阪弁なので、時々、”芦屋なので、もうちょっと…”と」と気遣った。

 

撮影は昨年の春休みに行われており、コロナ禍の真っ只中。白羽監督は「学校給食は、衛生面に気を配っている。撮影にあたり輪をかけてより一層やらなければいけなかった。本番が始まるまでは、食事にラップをかけて手をつけないように徹底しました」と十分に気をつけた。なお、芦屋市の小学生も出演しているが「芦屋の子なので、皆さんお行儀良かったです」と落ち着いて撮影が行われている。現場では、松田さんが子供達と積極的に話しており「元気に育っている子供の言葉を聞くのが一番だろうと思って、”先生、関西出身じゃないから、間違っていたら教えて下さい”とずっと言っていました」と告白。イントネーションの違いを言ってもらっており「子供達は素直なので、間違っていたら、絶対に違う、まだ違う、ちょっとおかしい、と言ってくれるので、有り難かったです」と助けられた。

 

おいしい学校給食を続けていくことについて、伊藤市長は「限られた予算や時間や施設の中で、アレルギーを持っている子や外国の子にも対応するので、調理師さんも栄養士さんも御努力頂いています。子供達の嬉しそうな顔に元気を頂いています」と真摯に話し「昨年末に行われた全国学校給食甲子園で芦屋市立精道中学校が女子栄養大学特別賞を獲得できました。モチベーションになっているんだろうな」と受けとめている。松田さんは、芦屋市について「街並みが綺麗で、様々なところに桜の木が植えてある。去年の春休みに撮ったので、桜が綺麗でしたね」と振り返り「子供達が子供達なりに一生懸命に生きていて、それを全力でサポートしていく大人達。凄い幸せなことだな。それだけで泣いちゃいそうな幸せなことだな。あたたかさや小さな幸せを感じて頂けると嬉しいな」と本作の魅力を伝えていく。

 

最後に、松田さんは「コロナ禍になってから、1人でお食事する方も増えたと思います。そんな中、あたたかいごはんを皆で一緒に食べる、といった何気ない小さな幸せを感じられる作品となっております」と述べ「芦屋市が力を入れている給食を関西のみならず日本全国、出来れば世界に伝えられるといいな」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『あしやのきゅうしょく』は、関西では、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸で先行公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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