不倫を巡るマンガ家夫婦の行く末を描く『先生、私の隣に座っていただけませんか？』がいよいよ劇場公開！
（C）2021「先生、私の隣に座っていただけませんか?」製作委員会
“不倫”が題材の漫画を描き始めた妻と自身の不倫がバレたのでは？と疑う夫が繰り広げる心理戦を描く『先生、私の隣に座っていただけませんか？』が９月１０日（金）より全国の劇場で公開される。
映画『先生、私の隣に座っていただけませんか？』は、漫画家夫婦の虚実が交錯する心理戦を描いたドラマ。漫画家である佐和子の新作漫画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」。そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれ、さらに佐和子の夫である俊夫と編集者の千佳による不倫現場がリアルに描かれていた。やがて物語は、佐和子と自動車教習所の先生との淡い恋へと急展開する。この漫画は完全な創作なのか、ただの妄想なのか、それとも夫に対する佐和子からの復讐なのか。現実そっくりの不倫漫画を読み進めていく中で、恐怖と嫉妬に震える俊夫は、現実と漫画の境界が曖昧になっていく。
本作では、佐和子役を黒木華さん、俊夫役を柄本佑さんが演じ、金子大地さん、奈緒さん、風吹ジュンさんらが顔をそろえる。監督は『ANIMAを撃て！』『いたくてもいたくても』の堀江貴大さん。オリジナル企画のコンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2018」の準グランプリ受賞作品の映画化である。
（C）2021「先生、私の隣に座っていただけませんか?」製作委員会
映画『先生、私の隣に座っていただけませんか？』は、９月１０日（金）より全国の劇場で公開。
「キネ坊主」を起ち上げた頃からお世話になっている堀江貴大監督。良い意味で自主映画らしさを忘れない、おもしろい題材の組み合わせを用いた作品を手掛けてきた。自身の監督作品だけでなく、助監督や脚本でも様々な作品に関わってきましたが、本作では、プロフェッショナルな商業映画として遂に化けました！観る人によっては最後までドキドキさせられてしまう、おもしろい作品に仕上がっている。こんなアイデアを隠し持っていたんですか！？
黒木華さん演じる妻の佐和子が自動車教習所の先生との淡い恋に落ちていくが、冷静に考えると、こんなこと起きるはずがない、と思ってしまう。だが、もし恋に落ちるなら、こんなことが起こるのかな、と納得できなくはない。佐和子にとっては恋愛物語ではあるのだが、自身の不倫含め自動車教習所での出来事が漫画のネームとして描かれているのを発見してしまった夫の俊夫にとってはホラーでしかないよな。あくまで漫画という虚構でしかないはずなのに、もしこれが現実をそのまま描いているとしたら、居ても立っても居られない。どの人物の視点に立ってみるか、によって幾通りにも楽しめる作品に仕上がっている。
なお、漫画のネームについては、その原稿をそのまま映し出すだけでなく、映画として実際に映像が映し出されていく。ということは、観客にとっては、映画の中における現実と虚構を見せられてしまうわけだが、気づくと現実なのか虚構なのか分からなくなってしまう。佐和子は本当に不倫しているのか。最後の最後まで監督の手腕に翻弄させられてしまう。実に見事なオリジナル企画作品に仕上がっている。さらなる飛躍を今後も楽しみにしております！
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- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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