ベストセラー作家がスランプから抜け出すために霊媒師に頼んで事故死した最初の妻を呼び戻す!?『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』がいよいよ劇場公開!
(C)BLITHE SPIRIT PRODUCTIONS LTD 2020
霊媒師によってよみがえった女性と、彼女と生前に愛しあっていた男性を中心にした騒動が描かれる『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』が9月10日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』は、1941年の初演以来、約2,000回にわたり上演され、1945年にデビッド・リーン監督により映画化もされた名作戯曲「陽気な幽霊」を映画化。ベストセラー作家のチャールズはスランプの状態にあった。彼の小説のアイデアは、事故死した最初の妻エルヴィラが生前に生み出したアイデアを書きとどめただけのものだったのだ。ハリウッド進出のチャンスをかけた初脚本の執筆を前に、彼女の力なしでは無理だと思い知ったチャールズは霊媒師マダム・アルカティに頼み、エルヴィラをあの世から召喚するが…
本作は、大ヒットテレビシリーズ「ダウントン・アビー」の監督の1人であるエドワード・ホールと、同作でマシュー・クローリー役を演じたダン・スティーブンスがタッグを組んだ。チャールズ役をスティーブンスが、霊媒師マダム・アルカティ役をオスカー俳優のジュディ・デンチがそれぞれ演じる。
(C)BLITHE SPIRIT PRODUCTIONS LTD 2020
映画『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』は、9月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマやTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸や西宮のTOHOシネマズ西宮OSで公開。
洗練された喜劇を好むノエル・カワードによる戯曲「陽気な幽霊」(Blithe Spirit)。2020年代を迎えた今、時代設定はそのままに今見ても古さを感じさせず色褪せない喜劇として存分に描いている。「夫をシェアしたくはありません!」という邦題のサブタイトルも現代の風潮に合わせており、最後まで観終えたら味わい深いネーミングだと感じられた。
物語の主人公は、ベストセラー作家のチャールズはスランプ状態。ベストセラーを執筆できたのは、事故死した最初の妻エルヴィラがいたから。ならば、霊媒師によって降霊したら!?なんていうアイデアを1941年時点で閃いたことが興味深い。さらには、現在の妻に嫉妬して、エルヴィラはやりたい放題。これを戯曲で観たらさぞ笑いが止まらないだろうな。約2,000回にわたって上演されたことも納得できる。映画ならではの舞台の拡がりを以て最大限にキャラクターの魅力を発揮しているのも好印象だ。最後のオチまで含めて喜劇ならではのおもしろみを現代劇として見事にブラッシュアップした一作として仕上がっている。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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