エイダン・チェンバーズによる小説を原作に少年達のひと夏の恋描く『Summer of 85』がいよいよ劇場公開!
(C)2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINEMA-PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES
フランスのノルマンディーの海を舞台に、運命的に出会った少年達のひと夏の恋と別れを瑞々しく描きだす『Summer of 85』が8月20日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『Summer of 85』は、16歳と18歳の少年の人生を変えた、ひと夏の初恋を描く。セーリングを楽しもうとヨットで沖に出た16歳のアレックスは突然の嵐に見舞われ転覆し、18歳のダヴィドに救出される。2しゅじ人は友情を深め、それはやがて恋愛感情へと発展し、アレックスにとっては、それは初めての恋となった。そんな2人は、ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てるが、ダヴィドの不慮の事故により、2人の時間は終わりを迎える。生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだった。
本作は、フランス映画界の名匠フランソワ・オゾンが、若かりし日に読み影響を受けたというエイダン・チェンバーズの小説「おれの墓で踊れ」を映画化。主演は、オゾン監督がオーディションで見いだしたフェリックス・ルフェーブルとバンジャマン・ボワザン。第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション選出作品である。
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映画『Summer of 85』は、8月6日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮の神戸国際松竹で公開。
サスペンス要素が強い作品を多く手掛けてきたフランソワ・オゾン監督が、今作では、少年達のひと夏の出来事恋を瑞々しく描いた。エイダン・チェンバーズによる原作小説「おれの墓で踊れ」では、巧みな構成で恋を失った少年の混乱と再生を描いており、見事に映画化している。常に一緒に行動することは彼等にとっては幸せな時間だが、少しの綻びによって一転して重荷となり、ボタンの掛け違いのごとく、破滅に向かってしまう。本作では、主人公のアレックスのその後を現在の視点に置いており、1人の少年が歩んだ日々を繊細に描いた作品となっている。
なお、本作の主題歌は、THE CUREの「In Between Days」。THE CUREに劇中での使用を直談判したが、メンバー(おそらくロバート・スミスだろうなぁ…)から楽曲使用の条件として「本曲リリースの1985年に映画タイトルを合わせること」を提示された、という…え、ロバート・スミスがタイトルを決めた!?彼の拘りある性格なら納得できるなぁ。
また、劇中の劇伴音楽はAIR(エール)のジャン=ブノワ・ダンケル。1995年から活動しているフランスのエレクトロニカバンドでフランスらしい洒脱なサウンドが特徴であり、1980年代以降の電子音楽をイメージした楽曲は、本作に寄り添うように響いていく。そして、クライマックスでは、ロッド・スチュワートの「Sailing」が流れる。あまりにもシーンにハマり過ぎてて切なくなってしまう。生きる希望を失ったアレックスが、再び人生を歩んでいくためには必要な諸行を実践するためには必要な楽曲であると気づかされた。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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