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予期せぬ父親探しの旅を軸に、高校生達のひと夏の冒険を描く『子供はわかってあげない』がいよいよ劇場公開!

2021年8月16日

(C)2020「子供はわかってあげない」製作委員会 (C)田島列島/講談社

 

高校生の男女が出会い、予期せぬ父親探しの旅の中で、さまざまな出会いを経て成長していく様を描く『子供はわかってあげない』が8月20日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『子供はわかってあげない』は、水泳部所属の高校2年生である朔田美波を主人公に、初めての恋や父親探しなど、ひと夏の冒険が描かれる。ひょんなことがきっかけで意気投合した美波ともじくん。美波のもとに突然届いた「謎のお札」をきっかけに、2人は幼い頃に行方がわからなくなった美波の実の父を捜すことになった。女性のような見た目で、探偵をしているというもじくんの兄である明大の協力により、実の父である藁谷友充はあっさりと捜し当ててしまった。美波は今の家族には内緒で、友充に会いに行くが…

 

本作は、田島列島さんの人気コミックを上白石萌歌さん主演、『南極料理人』『横道世之介』の沖田修一監督のメガホンで実写映画化。主人公の美波役を上白石さん、もじくん役を『町田くんの世界』の細田佳央太さんがそれぞれ演じ、豊川悦司さん、千葉雄大さん、斉藤由貴さん、古舘寛治さんらが脇を固める。

 

 

(C)2020「子供はわかってあげない」製作委員会 (C)田島列島/講談社

 

映画『子供はわかってあげない』は、8月20日(金)より全国の劇場で公開。

本作は、冒頭から情報量の多いシーンが続いていく。主人公である朔田美波が過ごす日常を映し出すが、3つの異なる情報の要素が含まれたシーンがカット毎にあり、思わず補助線を2本加えて冷静に観たくなった。でも、ふと考えてみると、我々の日常も様々な要素が溢れている。よくぞ1つのシーンにこれほどまでに日常を再現したな。演出の段取りが大変だったのではないか。それぞれの情報がぶつからないようにしながら、1つのシーンの中で存在させている手腕に脱帽せざるを得ない。沖田監督ならではのシュールな描き方の極みである。

 

翻って、中盤以降は、美波の実の父に実際に会いに行く、という非日常を体験していくにあたり、情報量はいたってシンプルに。美波と父親の交流にスポットを当てていく。謎の存在である父親に対して、どのように接したらいいか分からない美波。ならば自身の能力を以て最大限にコミュニケーションをとろうと試みる。次第に父親という存在の在り方に気づかされ、ほんわかとした心地が伝わってきた。

 

なお、劇中に登場する謎のアニメーション「魔法左官少女 バッファローKOTEKO」。昔ながらの左官という職業と魔法少女を組み合わせた、シュール過ぎて独特過ぎる内容だが、凝りに凝り過ぎていて驚かされる。劇中作品にここまで拘りがある作品もそんなにないのではないか。情報量の多い日常のシーン含め、意外な箇所に拘り過ぎている沖田監督ならでは作風の極みとしかいいようがない。

 

ごちゃごちゃと書いたが、夏の終わりに、不思議な胸騒ぎを起こさせる本作を皆観よう…な!(本作を観れば、この意味が分かる)

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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