左半身に麻痺を抱える夫と生活するため、深夜にファミレスで働く妻の揺れ動く恋心を映し出す『「アララト」誰でもない恋人たちの風景vol.3』がシアターセブンでもいよいよ公開！
（C）2021キングレコード
左半身に障がいを抱える夫を献身的に支えてきた妻が、別の男との間で禁断の恋心を抱いていく様を描く『「アララト」誰でもない恋人たちの風景vol.3』が６月１２日（土）より大阪・十三のシアターセブンでも公開される。
映画『「アララト」誰でもない恋人たちの風景vol.3』は、サキの夫で画家のスギちゃんは、数年前に倒れて左半身が動かなくなり、今ではすっかり絵を描かなくなってしまっていた。そんなスギちゃんがある日、サキのヌードを描きたいと言った。深夜のファミレスで働き生活を支えながら、スギちゃんにまた絵を描いてほしいと思っていたサキは心から喜ぶが、サキに依存しなければ生きられないことにスギちゃんはいら立ちを感じていた。すれ違うふたりの身体と心。ふたりの間に大きな亀裂が生まれた日、サキはファミレスの同僚ユキオと結ばれる。
本作は、すれ違い、惹かれあう男女の姿を描いた越川道夫監督の「誰でもない恋人たちの風景」シリーズ第３弾。サキ役を『私の奴隷になりなさい第2章 ご主人様と呼ばせてください』の行平あい佳さん、スギちゃん役を自身も左半身に麻痺を抱えながら舞台などで俳優として活動する荻田忠利さんがそれぞれ演じる。
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映画『「アララト」誰でもない恋人たちの風景vol.3』は、６月１２日（土）より大阪・十三のシアターセブンで公開。
「愛の小さな歴史」「あざみさんのこと」から続く、越川道夫監督による「誰でもない恋人たちの風景」シリーズ第３弾である本作。男女の情愛を生々しく描いてきた越川監督は、本シリーズにおいて、女性の揺れ動く感情を描く共に、不器用にしか生きられない男性を描いている。本作においては、左半身に麻痺を抱え何も出来なくなってしまった夫を献身的に支える妻を描いた。妻のサキのような女性が実際に存在したら、どれほど幸せだろうか。故に何も出来なくなり妻に頼り切っている夫であるスギちゃんの感情にも共感してしまった。妻のおかげで日々助かっているけれども、何も出来なくていたたまれない気持ちになる。
されど、二人に危機が訪れてしまう。ちょっとしたボタンの掛け違えが追い込んでしまった。壊れてしまうと後戻りできない。もはや誰しもが経験し得る可能性がある物語である。本作では、行きつくところまでいってしまう。でも、かすかな希望があるかと思える結末にもなっていた。“誰でもない恋人たちの風景”ではあるが、誰もが経験してもおかしくない普遍的な物語が描かれている。本シリーズでは過去２作品以上の出来上がりとなっており、さらなるシリーズの新作を楽しみに待っていたい。
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