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台湾民間芸能“布袋戯”のドキュメンタリー『台湾、街かどの人形劇』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2019年12月6日

(C)Backstage Studio Co., Ltd.

 

台湾の人間国宝であり、伝統の人形劇“布袋戯“の名手チェン・シーホワンにスポットを当てたドキュメンタリー『台湾、街かどの人形劇』が12月7日(土)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『台湾、街かどの人形劇』は、台湾の伝統芸能・布袋戲の人形師である人間国宝チェン・シーホァンを10年にわたって取材したドキュメンタリー。ホウ・シャオシェン監督作の常連俳優としても知られる布袋戲の大家リ・ティエンルーを父に持つチェン・シーホァン。13歳から布袋戲の人形師として芸を磨き続け、偉大な父の背中を追いかけてきたが、母の姓を継いだことで父との間に深い葛藤が生まれ、自身が80歳を超えた現在も、そのわだかまりが消えることはない。親子でありながら師弟でもあるが故の複雑な思いと、天命を知る者ゆえの闘いの記録を描き出す…

 

本作は、『あの時、この時』などで高い評価を得ているドキュメンタリーの名手ヤン・リージョウが監督を務めている。

 

(C)Backstage Studio Co., Ltd.

 

映画『台湾、街かどの人形劇』は、12月7日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。また、12月28日(土)より京都・烏丸の京都シネマ、2020年1月1日(水)より神戸・元町の元町映画館でも公開予定。

今年開催された第13回大阪アジアン映画祭の出品作品ラインナップの中で『Father(仮題)』として上映された本作は異彩を放っていた。他にも多くが並ぶ台湾からの話題の注目作、恋愛映画や人間ドラマなどを差し置いて「これは今回の映画祭で一番面白い!」という観客の声を多数耳にした。無論チケットは完売である。今のうちにこそ観なくてはいけないものが作品には籠められていた。

 

台湾伝統の人形劇「布袋戯」をテーマに、人間国本の人形遣い・陳錫煌(チェン・シーホァン)の姿を追ったこのドキュメンタリーは、撮影に10年を費やしている。人形劇の世界を生きてきた高齢の達人たちの中には、現在は既に亡くなられている方も含まれる。今まさに終焉を迎えようとしている台湾伝統文化の、最後の息づかいを拾いきっており「これが最後になるかもしれないから、よく見ておけ」と言わんばかりの熱情と執念の記録。

 

原題は「赤い箱」、布袋戯の神を祀る箱のことだが、英語題の『Father』がこの映画の内容を十分に表している。実の父との複雑で決着のつけきれなかった長い時間と、その人生の中で人形劇の父とも言える存在にまでなった陳錫煌による孤高で孤独な想いを吐露していると感じた。あえて言わせていただくと、本作のラスト15分に大いに意味があり、このためだけにでも、是非観ていただきたい。

fromNZ2.0@エヌゼット

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映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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