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男くさいハードボイルドでノワールな作品を今後も…!『影に抱かれて眠れ』舞台挨拶開催!

2019年9月8日

わけあって闇社会の抗争に巻き込まれたひとりの男の闘いと愛を重厚感たっぷりに描き出す『影に抱かれて眠れ』が、9月6日(金)より全国の劇場で公開中。9月8日(日)には、大阪・難波のなんばパークスシネマに、加藤雅也さん、中村ゆりさん、松本利夫さん、中山こころさん、和泉聖治監督、中野英雄プロデューサーを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『影に抱かれて眠れ』は、酒をこよなく愛し、横浜・野毛で2軒の酒場を営む画家の硲冬樹が主人公の物語。硲は、絵を描き、酒を飲み、自身の店を自転車で巡回するという平凡な日常を送っていた。しかし、冬樹を父親のように慕う岩井信治が傷を負って冬樹のもとに転がり込んできたことから、その日常は狂い始める。NPOの慈善団体のメンバーとして女性たちを救う活動をしている信治は、1人の未成年の女子を救うために窮地に追い込まれていた。信治に手を貸してしまう冬樹は、男たちの争いの渦に巻き込まれていく。そんな中、冬樹は10年以上純愛を貫く人妻・永井響子の余命を知らされる。

 

上映後、加藤雅也さん、中村ゆりさん、松本利夫さん、中山こころさん、和泉聖治監督、中野英雄プロデューサーが登壇。関西出身者が多い賑やか舞台挨拶となった。

 

ハードボイルドな本作に対し、加藤さんは「最近の日本映画界では作りにくいジャンルですが、我々が心を込めて作った作品です。こういう作品をもっと日本で作っていけたらいいな」と語る。大阪の寝屋川市で育った中村さんは「今日は関西弁で喋ります」と宣言。「自分が出演した映画で大阪に帰って来れて嬉しい。懐かしい空気が流れてて、皆不器用ながらに片寄せ合って生きている感じが素敵な映画です」と紹介した。松本さんは「今回、ハードボイルドをテーマに演じさせて頂いた。辞書で調べてもピンとは来なかったが映画を観ていくと、男の生き様を感じたので、抽象的な印象を感じてします」と素直に話す。スタッフとしても本作に関わった中山さんは「今日来たら、監督から登壇を依頼され、ここに立たせてもらいました」と嬉しそうだ。和泉監督は「僕の映画は、静かな流れの中で始まる映画ですが、熱いものを感じて頂けたら嬉しいです」と伝えていく。中野さんは「暑いですね」と出演している若旦那さんの真似をしたが、お客さんにはウケず、しどろもどろに。

 

関西出身者が出演者にもスタッフにも多い本作。奈良出身の加藤さんは「僕はバリバリの関西人ですけどね」と話すと、松本さんはすかさず「今日、話し方が昨日と違いますもんね」とツッコミ。されど、加藤さんは「いつもこうやで。昨日は仮の姿や。これが本物の姿やないか」と豪語する。大阪出身の中村さんは「友達とか来てくれると、いつも”あんた、上手いこと猫かぶってるなぁ”と言われるから、関西に来るとプレッシャーが…」と漏らしてしまう。前日の舞台挨拶で共に登壇していた松本さんが「(昨日は)お二人とも標準語でした」と告げると、加藤さんは「俺にとっては、関西弁が標準語やで。昨日のアレは方言や、俺は、な!」と力説。京都出身の中山さんは登壇者を確認しながら「MATSUさんだけ、関西じゃないです」と仲間外れにする始末。なお、加藤さんは関西には頻繁に来ており「去年から今年の春ごろまで『まんぷく』やってて。『正義のミカタ』は偶に出るので、大阪来ます。あと、奈良の観光大使になったので」とアピールしていく。とはいえ、大阪での舞台挨拶はあまりなく「出来るだけ増やそうかな、希望だけやけど」と願っており「関西弁でのノリがいい。楽屋の弁当も551やったし」と今回は上機嫌だ。

 

北方謙三さんによる原作の映像化となった本作について、北方さんと同世代の和泉監督は「昔から憧れて尊敬していた。実際に会うと凄くダンディーな人」だと表現する。「原作はあるけど、映画は別物。好きに撮って」と託されており、脚本を直されても気負いせずに挑めた。キャスティングにあたり、中野プロデューサーは「一流の俳優達に音楽畑の人を交ぜたかった。感性がとても豊かで新しいものを持っている。さらに大御所監督がコラボしたらどのように覚醒するのか」と楽しみながら企画しており「やってみたら僕的にはドンピシャで全部ハマったのでありがたい。良い俳優は歌手もやっていることが多い。歌う時に気持ちを作って挑んでいるので、俳優にはピッタリだ」と絶賛。「AK-69さんや若旦那さんは初めての映画での演技だし気合入れて来てくれた。MATSUさんは役者の勉強をしていると聞いていたので、アドリブもしてくれた」と称えた。

 

若旦那さんやカトウシンスケさんとは初共演の加藤さんだったが「会った日に距離は縮まってましたね。よく話しかけてくれるんで」振り返る。松本さんは、加藤さんに対し「雅也さんはダンディーなイメージがあって、家では白いガウンで赤ワインを片手に葉巻を吸って暗い部屋で音楽を聴いていそう」とイメージを話すが、加藤さんはすかさず「そんな奴おらへんやろ」とツッコミ。改めて松本さんは「3人が慕っている男として、裏でも親しくコミュニケーション取っていたかった。どうすればいいかと思ったんですが、直ぐに気軽に話しかけてくれて、仲良くさせて頂きました」と一安心。加藤さんは「3人の人間関係を埋めたら、あとは演じやすい。所詮プロの俳優とはいえ赤の他人なので、探り合う。撮影が始まると役に没頭できた」と揺るぎない姿勢だ。中村さんは加藤さんと共演し「雅也さんに抱いていたイメージはお会いして良い意味で崩れた。彫刻みたいな人がクールかなと思っていたら、近所のお兄ちゃんのように気軽に話しかけてくださったので、緊張感なく現場にいました」と安心して演じられたことを感謝している。

 

なお、加藤さんは、若旦那との対決シーンについて「ほんまにこの人刺すんちゃうかな」と心配していた。「わかってるかなぁ。これ、演技なんやけどなぁ。ホントに物凄い迫力があった」とまで話す。「汚い食べ方をする人が喧嘩でスマートになったらおかしい。腰溜めで刺してくるとしたら、刃を落としているとはいえ怖いなぁ」と冷静に語りながら「本番になるとスイッチが入る人はいる。若旦那は分からなかった」と振り返った。

 

最後に、中村さんは「 男!なパッケージの映画やから、女性の方にも宣伝して頂いて、女性にも観に来てほしいな」とアピール。加藤さんは「男くさい作品は最近作れなくなってきてて。そういう中でこの作品を作ることが出来ました。少しでもヒットして、こういう作品が作り続けられればいいな」と期待している。和泉監督は「ハードボイルドというかノワールな作品なんですが、これからもやりたい」と期待を込め、関西ならでは舞台挨拶を締めくくった。

 

映画『影に抱かれて眠れ』は、大阪・難波のなんばパークスシネマ、京都のT・ジョイ京都をはじめ、全国の劇場で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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